親からの注意や叱責は逆効果。約束を守れない子へのサポート法

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「ゲームは1日30分」「帰ったらまず宿題を済ませる」など、子どもにさまざまな約束をさせては、守らないことにイライラ、ハラハラしている親御さんが多くいます。どうしたら約束を守らせることができるのでしょうか。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の柳川由紀さんは、親が「約束させて」いては実行は難しいと、子ども自身が「自分に約束する」ようになるためのサポート方法を伝えています。

子どもが約束を守らない!

Question

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子どもが、家族で決めた約束を守りません。塾の宿題や学校の宿題、習い事の練習などやることがたくさんあるため、ゲームをしないなどの約束をしました。にもかかわらず、それを守らずお手上げです。(小5男子のお母様より)

柳川さんからの回答

やることがたくさんあるのにやらないという状態は、親としてハラハラしますね。一方、子どもにとっては、決めたことを必ず行う、というのは決して楽なことではありません。親としてのサポート法をお伝えします。

1.優先順位を自分で「見える化」

子どもが一目見てわかるよう、やるべきことを「見える化」しましょう。縦軸に「大切度」、横軸に「お急ぎ度」という時間管理マトリックスを作成し、やるべきことを4つの枠に分けておけば、一目で、最重要事項がわかります。

必ず、自分で仕分けするように、子ども自身にさせましょう。その際に、いつまでにやるのかという日付や時間も記入しておくとわかりやすいです。

2.自分と約束する

子どもに限らず、人からの注意や叱責は、気分のいいものではありません。何度も言われるようであれば、聞き流します。だからこそ「優先順位の見える化」を自分でやるのです。自分でやれば、緊急度や重要度がわかり、やらなければいけないことを自覚します。

3.約束を守るには

心理学的見地から見ると、約束を守る確率は「意欲」、「感情」とは無関係ということがわかっています。「誠実さ」と「自己統制力」によって決まるからです。

まずは、「守れない約束をしない」という誠実さが大切で、次に、「守るための具体的計画を立てる」ことが必要です。ですから、意欲があっても「計画性」がないとなかなか約束を守れません。親は、「守れる約束」を守るための「具体的計画」を「子どもと一緒に」練りましょう。視覚と聴覚に訴えると効果的です。

家庭教育アドバイス…「具体的アプローチ」

約束事は、親が決めるのではなく、自分で決めるさせるのが一番良いのですが、中には「自分に甘い」子どももいます。中学生で「勉強時間は1日15分」と決めた子どもがいました。でも、それで良いのです。その先が大切だからです。

「自分で決めたことを本当に実践する」ことが大切なのです。だから、どうぞ自分に甘い子どもでも、その子どもが決めたことは黙って見守りましょう。ただし、2週間続けられたら、大いに子どものがんばりを認めましょう。子どもは自信がつくはずです。「やればできた!」と。

そこで、改めて次のステップ、例えば「もう15分増やす」など、自分との約束をするのです。こうして2週間ごとのステップを踏んでいくと、3ヶ月後には、当初「1日15分」だったものが、「1日に90分」が当たり前にできていることになるのです。

親としては黙って見守ること。できていなかったことに注目するのではなく、できたことに注目し家族の前で、大いに認めましょう。

image by: shutterstock.com

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家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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