徳田医師が解説。コロナ感染の初期症状が軽くても軽症と言えぬ訳

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新型コロナウイルス感染症は、感染拡大が始まって数ヶ月が過ぎ、感染に関わるさまざまなデータが揃ってきています。最新の医療データを元に提言を行う、メルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』の著者で沖縄在住医師の徳田先生は、「感染症の全体像は明らかになっていない」としたうえで、現時点で確からしいと言えるいくつかのことをピックアップ。初期症状が軽くても軽症とは言えない理由、高齢者にはPCR検査の適用を拡大すべき理由、無症状感染者を積極的に見つけ隔離戦略を取るべき理由を伝えています。

コロナ感染の初期症状が軽くても軽症とは言えない理由

新型コロナ感染症は様々なグループで異なる特徴がある。まず子供や若い人たち。一般的に症状は軽いか、無症状のことが多い。中国のデータからこのことが広く知れ渡ったため、子供や若い人たちは、自分たちが感染しても症状は軽いか無症状なので、感染しても平気なのだ、と思っている人もいる。

しかし、中国から欧米に感染が拡大するにつれて、ウイルスは進化した。欧米型バリアント・コロナウイルスは致死率が高く毒性が強い。しかも若い人たちで非典型的なケースが多いことが明らかになった。例えば、30歳代で大きな脳梗塞を起こして入院した男性で、後になってコロナ感染が脳梗塞の原因であったことがわかったケース。

また、乳児における感染で、川崎病とトキシック中毒症候群を合わせたような重篤なケースが欧米で報告されている。川崎病は皮膚、粘膜、冠動脈などの全身に炎症を起こす病気。トキシック中毒症候群は、特別な細菌の毒素によって起こる皮膚や内臓の炎症で、血圧低下をきたす。このウイルス感染症の全体像はまだ明らかになっていない。パンデミックしながら変異を続けており、凶暴化することが可能なのだ。

高齢者のコロナ感染は全員高リスク

高齢者では要注意だ。このウイルス感染症の重症化の因子のうちで最強である。50歳未満と比べて50歳以上から死亡率が高くなり、60代、70代、そして80代と年齢が高くなるにつれて急激に死亡率が高くなる。もともと高齢者の肺炎は、症状があまり出ないことが特徴である。発熱、咳、痰が無いことはよくある。転倒や意識障害、不穏などで発見されて、コロナの肺炎だというケースは多い。

最近、厚労省が、軽症者で自宅療養で注意すべき症状として13項目を発表した。唇のチアノーゼや呼吸困難などだ。しかし、これらの症状はすでに重い症状なのである。軽症または重症などというのは、もともと患者の病気が最終的にどうなったかによって決まるものであり、ほとんどの場合、初期症状は全員軽いのだ。突然に血管が裂けるような大動脈解離等と比べて、感染症では秒単位や分単位で軽症か重症かを区別することはできない。重症になるのも数時間や数日かけて徐々に悪化するのだ。

初期症状の時点では、ある患者が最終的に軽症で済むのかあるいは重症まで進むのかは確実にはわからない。でもある程度は予測することができる。このような場合、リスク評価をすればよいのであり、これまで多数の患者データが国内外から発表されている。簡単に言うと高齢者または基礎疾患を持つ人々だ。このような患者さんは早期受診を促し、早期診断をして、症状が軽くても医療モニタリング可能な宿泊施設で医師が管理すべきである。もちろん、高齢者にはPCR検査の適用も拡大すべきである。

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