子どものストレス
【毎日】は5面の社説1本目を取り上げる。タイトルを以下に。
コロナ下の夏休み
子のストレスに目配りを
新型コロナの影響で、各地で夏休み期間が大幅に短縮されている。国立成育医療研究センターの小中高生へのアンケート調査によれば、「コロナのことを考えると嫌な気持ちになる」とか「最近集中できない」などの回答が3割から4割に達し、ストレス症状が示されたという。自傷行為や、家族やペットへの暴力などは約1割、小学生に多かったという。
●uttiiの眼
総じてストレスが高くなっているのはその通りだろう。突然の休校措置、再開後も感染対策を取りつつの授業、家族共々自粛を強いられて、休日にもストレス発散が難しい状況に、日本中の子どもが置かれた訳なので、影響は避けようがない。
《毎日》社説氏の処方箋は、「子どもらの不安を大人が受け止め。和らげることが大事だ」というもの。
「身近な公園や河川敷で一緒に自然観察」、
「親のお気に入りの図書を子どもに薦めるのもいい」などと言っている。
一方で「子どもが1人でゲームにのめり込むケース」は心配だとして否定的。なんだか、随分古典的な家族像を前提に「対策」を考えているらしいことがバレバレで、これでは現代の子どもたちはかえってストレスが溜まる一方になりそうで、心配だ。親子関係も千差万別。一緒に虫取りをしたい子どももいるだろうし、親が好きな本を自分も読んでみたいと思う子どももいるかもしれない。
しかし、共通の処方箋などはないと知るべきで、敢えてあるとすれば、以前よりも子どものことに関心を持つ、子どもの言い分に耳を傾けてやる、その努力をすること…それ以上の表現は頭に浮かばない。
もう従っていられない
【東京】は24面に、あらたな時短要請が行われた東京都内の繁華街の様子を報じている。見出しから。
都内 時短要請スタート
「従い続けるのは困難」
店舗の対応まちまち
都が酒類を提供する飲食店とカラオケ店に対し、午後10時までの時短営業を要請していることを巡っては、
外食大手の多くが時短営業に応じているのに対して、感染予防の効果に疑問があるとして応じないチェーンもあるという。
都は要請に全面的に応じた中小の事業者に対しては協力金20万円を払うが、家賃や人件費の負担をカバーできる金額ではなく、これまで以上に飲食業界とカラオケ業界の経営悪化に拍車が掛かる恐れがあるという。カラオケチェーンの運営会社は「雇用を守らなければならず、従い続けるのは厳しい」と言っている。
●uttiiの眼
政府や都の施策はいつもそうだが、自粛したり要請に応じたりする側から見れば、結局のところ「見通しが立たない」状態に置かれることになる。このことが最大の問題。
イタチごっこのような状態から抜け出すための方策こそが必要なのだが、その有力な選択肢と思しきPCR検査の拡大(「誰でもいつでも何度でも」)に、なぜかこの政権は消極的で、一向に取り組もうとしない。
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