ブリヂストンは今後、データをどう活かすのか?
この考え方を、飛行機だけではなく、自動車にも当てはめることができる、とブリヂストンは考えて、展開していくそうです。ブリヂストンが持つ膨大なタイヤのデータと、ドライバーの走行データが積み重なると、AIを使えば、自動車のタイヤの減り具合を推測し、未然の事故防止になったりできるでしょう。
さらに、車の種類や、走り方に応じて、「こう走ると燃費をよくすることができますよ」などと、ブリヂストンからタイヤユーザーへの、ドライブのアドバイスもできたりしそうです。
確かに、タイヤの減り具合を、毎日のようにチェックすることもないので、これまでの走行データや運転の走行距離などから、「そろそろタイヤを変える方がいいですよ」とメールが来たりすると、嬉しいですよね。AIだけでなく、5GやIoTが進んでいくと、カーナビにこのような情報が来たり、アプリなどでドライバーに教えてくれたりできるでしょう。
このようなサービスによって、ブリヂストンとしては、より大きな付加価値を、ユーザーに提供することができます。また、一般ドライバーだけではなく、運送や引っ越し業など企業にもデータ提供することで、余分な在庫を持たずにすみますし、燃費改善の提案もできるようになります。
さらに、タイヤ販売だけでは「売り切り」の商売でしたが、このようなデータサービスが出てくると、いわゆる継続課金できる、「サブスクリプション」のモデルもできそうなので、「継続の商売」に生まれ変わります。
マーケティングは、「お客様が持つ、課題や問題を解決してあげること」から始まります。データで出してくれる、「今までわかりにくかったタイヤの替え時」が、タイヤそのものに加わった「付加価値」になります。これによって無駄な価格競争から抜け出ることも、できそうです。
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