地質学者が懸念する「令和関東大震災」と日本沈没の可能性。首都直下地震は近いのか?

2020.08.27
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by gyouza(まぐまぐ編集部)
 

新妻氏の衝撃仮説「日本沈没シナリオ」の根拠とは?

また、新妻氏は2015年5月30日に小笠原西方沖で発生したM8.1、深さ682kmという世界最深級の地震(3日後の6月3日に同域でM5.6深度695kmと更に深い地震が発生)に関して、ある衝撃的な仮説を発表している。

それが「日本沈没の可能性だ。

2015年6月に自身のホームページで公開され、一部の地震研究者たちに衝撃を与えたこの仮説は、後に日本地質学会主催の第122年学術大会(於:信州大学長野キャンパス)でも発表された。その演題は『日本沈没が開始されたか』である。

作家・小松左京氏のSF小説を原作とした映画『日本沈没』の2006年版冒頭では、日本沈没の原因を「停滞スラブの下部マントルへの崩落」と説明していた。まさに映画の中で語られていたことと同じような現象が、太平洋プレートの下で起きている可能性はあるのだろうか。新妻氏は言う。

「あの2011年3月11日の東日本大震災も、垂直スラブの下部マントルへの崩落が原因なのかもしれないと考えています」(新妻名誉教授)

地球の地殻の下(地表から深さ約30km)から深さ2900kmのあたりまでの固体部分を「マントル」という。マントルは「上部マントル」と「下部マントル」に分かれており、その中間に「マントル遷移層」と呼ばれる、岩石の結晶構造が浅い(より低温・低圧な)条件下で安定なものから、深い(より高温・高圧な)条件下で安定なものに変わる領域が存在する。

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図02・マントルの構造とマントル遷移層下部の「プレートの墓場」の存在(出典:国立大学法人 愛媛大学(地球深部ダイナミクス研究センター :GRC)『世界初!マントル深部の高温高圧条件下で地震波速度精密測定に成功』プレスリリース)

新妻氏は、先の2015年5月末から6月に小笠原西方で起きた深さ680km以上の深発地震について、太平洋プレート伊豆スラブ南端が、マントル遷移層よりも深い「下部マントル」に向かって崩落している可能性を指摘し、「日本沈没」の可能性について言及したのである。

映画『日本沈没』同様の「停滞スラブの下部マントルへの崩落」が太平洋プレートの下で起きている可能性があるという仮説を、新妻氏が自身のホームページで詳細なデータとともに示したのが、2015年6月20日。「速報68)日本沈没が開始されたか,地震断層面積移動平均対数曲線,2015年6月の地震予報」という報告だ。これは、日本地質学会の学術大会よりも前に公開されたものである。

噴火を続ける「西之島」と、一連の地震活動に関係が?

そして、今後の深発地震発生の指標となるかもしれないのが、2013年以降の噴火活動で海面に顔を出した、小笠原諸島にある無人島の火山島「西之島(にしのしま)」だ。

西之島の噴火は、東日本大震災から2年半後の2013年11月より開始している。西之島の噴火活動がピークを迎えた2014年9月から8カ月後、2015年5月に例の小笠原西方沖M8.1が発生している。そして、西之島は今年7月11日に、2013年からの観測後初の大規模噴火が確認された。2020年7月より半年〜8カ月後に、また小笠原西方沖M8.1級の深発地震が発生するのかもしれない。

「西之島は短冊のように繋がるスラブの切れ目に位置していることから地震活動と関係していると思いますが、マントル内で具体的に何が起こっているかは今後の研究課題です」(新妻名誉教授)

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