まだまだ暑さが続くこの時期。例えば来店してくださったお客様に対して何気なく、「今日も暑いですね」などと声かけをしてしまいがちですが、暑さをきっかけに会話を始めるのはNGとするのは、無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさん。一体なぜなのでしょうか。坂本さんがこの時期だからこその「納得の理由」を明かしています。
きっかけの言葉
8月25日に、気象庁から秋の3ヶ月予報が発表されました。9月から11月にかけての予報ですが、今年はラニーニャ現象発生の可能性もあるということで、全国的に概ね高い気温になることが予想されています。
特に9月、10月は平年よりも高い気温の見込みになっていて、11月頃からようやく平年並みの気温に戻るのだとか(ラニーニャ現象発生時は、日本付近では夏の気温が高くなり、冬の気温が低くなる傾向にあるのだそうです)。
すでに今現在も毎日うだるような暑さが続いているわけですが、こうした時期に販売員として注意したいことがあります。それは、接客の最初の一言です。
お客様を「いらっしゃいませ」「こんにちは」と迎えるまでは良いのですが、その後に、「今日も暑いですね」といった暑さをきっかけに会話を始める人がたくさんいます。
これが夏になる前や、夏の最盛期くらいならば何の問題もないのですが、このくらいの時期、晩夏や初秋と呼ばれるような時期に、あまり多用しすぎてしまうと、厄介なことになります。お客様の先物買いムードを止めてしまうのです。
例えば、お客様が秋物のアイテムが欲しいと思ってご来店されていると考えてみます。「少しずつ秋に近づいてきたし、秋物の新作も増えてきているから見に行こうかな」と考えて来店してくれたようなお客様です。
そのお客様に接して早々に、「今日も暑いですね」「まだまだ暑さが続きますね」などといった暑さを前面に押し出したような会話が始まってしまうとどうなるか。お客様の心理に「まだまだ暑い」という意識が残ってしまいます。すると、秋物への購買意欲が下がってしまうのです。
販売員からすると、単なる会話のきっかけのつもりなのかもしれませんし、お客様もそこまで深く考えているわけではありません。ただ、目的意識の低いお客様の場合は、「暑い」という刷り込みにより、「秋物はもっと後でも良いか」とどこかで考えてしまいがちなのです。
これは当然、冬の寒い時期から春物に切り替わるときなどにも同じことが言えます。ですから、最初の一言など、会話のきっかけとして使う言葉にも実は細心の注意を払って声かけをする必要があるのです。
たしかに今の時期「暑い」という言葉を使うのは、使い勝手も良く誰もが同意してくれる言葉ですから、つい使いたくなります。ですが、それによって自分から売れにくくしてしまっている可能性もあります。
だとしたら、どんな言葉で会話をスタートするべきなのか?
これを考えるのが、売れる販売員になるための考え方です。
今日の質問です。
- 今からの時期、「暑い」以外の言葉で会話のきっかけを作るとしたら、どんな言葉をお客様にかけますか?
image by: Shutterstock.com