半沢直樹が猛批判した政治家の元ネタは?最終回の名ゼリフに意見二分

2020.09.28
by tututu
半沢直樹_タイトル
 

TBS系ドラマ『半沢直樹』が27日に最終回を迎え、32.7%という高視聴率を記録した。理不尽な上司、不毛な派閥争いなど銀行の世界をバッタバッタと斬っていくだけでなく、今作では欲にまみれた政治の世界にまで斬り込んでいった半沢直樹。そんなドラマの最終回の中で生まれた「名ゼリフ」が大きな話題となっている。

半沢直樹が政治と国会の“常識”を一刀両断

記憶にないですむのは国会答弁だけの話です。ここは国会ではありません。そんな馬鹿げた言い訳、一般社会では通用しない!」ーードラマ内で半沢直樹(堺雅人)が新政党の箕部幹事長(柄本明)に言い放ったセリフである。

帝国航空再建プロジェクトから外され、戦意喪失していた半沢だが、再び箕部幹事長の不正な金の流れを暴くため奔走。黒崎(片岡愛之助)や渡真利(及川光博)、そして大和田(香川照之)らの助けを得ながらその決定的な証拠をつかみ、債権放棄を迫られる会見の場で箕部幹事長と対峙する。

そこで飛び出したのが、前述のセリフだ。

まさにごもっともなこの名言。いや、本来は国会答弁でもあってはならないはずの言葉で、名言と呼ぶのもおかしな話ではあるが、ネット上ではこのセリフを称賛する声が多く上がっている。

「記憶にございません」は政治の世界で長い間、便利に使われてきた言葉だ。都合の悪い真実を突き付けられた時、その場から逃げるために、しらばっくれる言葉として利用されるイメージが強い。

戦後最大の汚職事件といわれる『ロッキード事件』。故田中角栄元総理と蜜月だった実業家の故小佐野賢治氏が国会で証人喚問を受けた時に、「記憶にございません」を連発したことで、当時の流行語となった。

近年ではいわゆるモリカケ問題で野党から疑惑を追及された際、安倍前首相をはじめとした関係者が「記憶にない」で押し通したことが記憶に新しい。

「記憶にございません」は政治家の専売特許

半沢は「記憶にないですむのは国会答弁だけの話」と言っていたが、この便利な言葉が飛び出すのは国会だけの話に限らない。他の場面でも政治家たちがまるで魔法の言葉のように繰り出してきた。

号泣議員・野々村竜太郎氏が裁判で「記憶にございません」

「この世の中…うわわあぁーん!世の中を…変えたい!」号泣会見で強烈なインパクトを放った元兵庫県議の野々村竜太郎氏。日帰り出張を繰り返したなどと偽り、政務活動費913万円をだまし取ったとして、詐欺罪などに問われた。裁判では100回近くにわたり、「記憶にございません」発言を繰り返し、裁判官や自らの弁護人まで呆れさせたという。

そういえば、箕部幹事長が劇中でやっていた、耳に手を当てる「聞こえません」ポーズも、野々村氏はいち早く先取り(?)してやっていたことも、記者の記憶に残っている。

元東京都知事・石原慎太郎氏の「記憶にございません」

歯に衣着せぬ物言いでズバズバ斬っていくこの人も、「記憶にございません」発言をしていた。元東京都知事の石原慎太郎氏だ。豊洲市場問題について都議会の百条委員会で、市場用地取得の経緯などについて問われた石原氏は、「記憶にない」「覚えていない」を連発。築地から豊洲市場への移転にまつわる詳細な経緯の真相は未だに不明のままである。

元東京都知事・舛添要一氏の「記憶にございません」

石原氏の2代後の都知事である舛添要一氏も、疑惑を記憶のせいにした一人。舛添氏は公用車に乗って湯河原の別荘へ出掛けたり、美術品や漫画、洋服の購入費、家族旅行費、飲食代金など、公私混同して政治資金を流用。政治家の伝家の宝刀「記憶にございません」を繰り返しながら、釈明に追われた。この疑惑に対して、きちんと説明しないまま都知事を辞職している。

また、今月16日に就任した菅義偉首相も、過去には加計学園問題における公文書にまつわる問題で、「政府があらゆる記録を克明に残すことは当然である」とした自身の過去の発言について問われ、「知らない」と答えている。

ネットでは最終回の『半沢直樹』を見て、安倍政権やモリカケ問題、桜を見る会などを思い出した人も多いようで、「昨日の最終回を見せてやりたい!」という声が上がっている。

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