憲法改正は必須。米国が平和ボケ国家ニッポンに突きつけた緊急課題

 

また、日米による台湾との連携強化などを求めると同時に、日韓関係については過去ではなく未来に関心を向けるべきだと忠告しています。さらに、アメリカのTPPへの復帰も求めています。

これらの提言に対して、加藤勝信官房長官は記者会見で「政府としてしっかりと受け止めていきたい」と述べました。

アーミテージ報告書「受け止める」 加藤官房長官

バイデン政権がどこまで受け入れるかはわかりませんが、共和党重鎮からの提言だけに、与野党とも反中意識が強い議会では、一致点となりそうです。また、これまでと同様に日本がこの提言に沿って進めば、日本の安全保障も日台関係もますます強固になります。

台湾でもこの「アーミテージ・ナイ報告書」は、中国包囲網を拡大する提言だとして、大きな注目を集めています。アーミテージは昨年6月にも台湾を訪れ、蔡英文総統と会談しています。

擴大包圍中國! 美前高官五眼聯盟變六眼

ただし、日本が「ファイブアイズ」に入って「シックスアイズ」になるためには、スパイ防止法の制定が不可欠でしょう。他国と機密情報を共有しても、日本から漏れてしまう不安が大きいからです。

国内の左派はこぞって反対するはずですが、もはやそのような「平和ボケ」が許される時代ではありません。そもそも新型コロナ問題にしても、「戦時」を考えることを忌避してきた戦後日本のツケが回ってきた側面があります。

安倍政権や菅政権のコロナ対策について、左派からは「お願いではなく、命令にすべきだ」「中国や韓国、台湾を見習え」などという声まで上がる始末です。中国は独裁政権ですし、韓国はまだ徴兵制があり、台湾は2018年に徴兵制は終了したものの、4ヶ月の訓練が義務付けられており、「戦時」への対応が行われています。有事を想定した対応ができる素地があるわけです。

しかも、今回のパンデミックについては、中国もフランスも「戦争状態」だというような発言を行い、またアメリカも「国防生産法」という朝鮮戦争時の法律を持ち出して、自動車メーカーなどにマスクや人工呼吸器をつくらせました。

しかし日本には憲法に緊急事態条項もなく、長年、「戦時」を考えてはいけないとされてきました。そもそも憲法前文には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という文言があるので、他国との戦争や紛争などないことになっているのです。しかし、日本がそんな空文憲法を後生大事に抱えているあいだに、北朝鮮は核開発に成功し、中国は南シナ海や東シナ海を実効支配できるほどの軍事大国化してしまったのです。

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