【サーチ&リサーチ】
《朝日》サイト内の15件中、旭川市への看護官派遣に関わる記事は9件。それ以外の6件中4件は、クルーズ船の頃の支援に関わる記事だった。1件は武漢からの邦人帰国に向かったチャーター機の第2便に同乗した看護官らについての記事。
2020年1月30日付
「新型コロナウイルスによる肺炎が発生した中国・武漢市(湖北省)から、帰国を希望する日本人を乗せた日本政府の民間チャーター機の第2便が30日午前8時50分ごろ、羽田空港に到着し、210人が帰国した」との記事中、第2便に関する次の記述。
「チャーター機は第1便と同じく、成田と武漢を結ぶ定期路線を持つ全日本空輸(ANA)が、ボーイング767で運航。29日午後10時すぎ、羽田空港を出発。第2便には陸上自衛隊の看護官2人が搭乗した」
*クルーズ船については「防衛省は6日、チャーターしている民間貨客船「はくおう」を、新型肺炎の発症者が乗っていた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の接岸場所に近い本牧ふ頭(横浜市)に移動させた。はくおうを活動拠点にして、医官や自衛隊員がクルーズ船内で乗客の支援に当たる」との記事があり、さらに「このほか自衛隊は、チャーター便で帰国した人が滞在している施設に、医官や看護官ら計約50人を派遣し、医療相談や生活支援を実施している」とある。
《東京》の3件のうち、旭川への派遣関係は2つ。残る1つは、2017年年頭の社説だった。
2017年1月3日付
「隊員23万人の組織力、機動力が国際平和構築に活用」されているという内容。2016年、パラオで米海軍が主催する人道支援活動「パシフィック・パートナーシップ(PP)」に参加した自衛隊は、18日間、白内障の手術を38件実施。「空路やってきた日本のNPO法人四団体の医療関係者19人と自衛隊医官、看護官が診察した住民は1929人。新聞で告知したところ、早朝から順番待ちの長い列ができたそうです」とあり、ここに「看護官」が登場している。
「武力によらない国際貢献を本格化させるには自衛隊法を改正するなどの政治決断が不可欠です。迷彩服を着ているのに「人助け」「国づくり」に力を入れるのは奇妙かもしれません。国内で評価されたのは献身的な災害救援が認められたからこそです。「おかしな軍隊」といわれてもいいではありませんか」というのが社説子の主張。
●uttiiの眼
武力によらない支援は様々なバリエーションと可能性があるだろう。しかし、その目的は支援活動を通じて、日本の安全保障に資することであるはず。この話は、自衛隊全体を一足飛びに「医療支援部隊」に変えることではなく、他方で「武装集団」としての自衛隊が果たして「日本の防衛」という目的に相応しいものなのかを冷徹に吟味することを要求するものだろう。
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