【書評】「中国人と仕事をするとドタキャンに慣れる」は本当なのか

 

「電話、社会主義、居酒屋」に共通する点は何か。答えは「日本漢語」であること。「和製漢語」というのは「一応」「家来」「尾籠」など、日本人の生活に密着した独特の漢語で、中国人が読んでも分からないことが多い。「新漢語」というのは「科学」「進化」「自由」「権利」「民主主義」など、近代西洋の概念や文物を翻訳する過程で日本人が考案した漢語で、中国人でも分かる。

そして「日本漢語」とは「和製漢語」と「新漢語」の総称である。それまでこうした西洋の概念を表す言葉が日本にも中国にも存在せず、明治時代に日本にやって来た清朝の留学生らから中国に逆輸出されたのだ。中国でも西洋文物の漢語訳が進められ、「telephone」を「徳律風(ダーリーフォン)」と音を当てて訳したが、日本人の考えた「電話(ディエンホウ)」に退けられた。

新漢語から始まった日本語から中国語になった言葉は、現在も増え続けている。「照片(ジャオピエン)」は「写真」という意味で今でも通じるが、日本語の「写真(シェジェン)」も中国読みで通じる。日本語の「人気」「刺身」「居酒屋」も中国語読みで通じる。最近は「違和感」「幸福感」「社畜」「干物女」などがあり、「森女」は「森ガール」の意味であるそうだ。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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