【具体例で紹介】人生の締めくくりをサポートする葬儀司会者というお仕事

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ある日の施行風景

瑠璃の葬送日記&葬儀ナレーション例文』 第121号(2015/01/19配信)

私が担当させていただいた施行の中から
印象に残った風景を切り取ってご紹介するコーナーです。

これから葬儀司会者をめざす方や葬儀司会者見習いの方などに
実際の現場の様子として少しでもご参考になれば幸いです。
個人情報保護の観点からフィクションとして執筆しております。
また個人名土地名の表記は控えさせていただきますことをご了承下さい。

この施行の2日前に、喪主様の奥様方のご親族で
他社でのご葬儀があったばかりとのこと。
「比べられちゃうだろうねー」と葬儀担当者さん。
・・・でっすよねー。
「んー、まぁ、気にしなくていいから」
ハイ。ありがとうございます。

享年98となる故人様のお連れ合い様は元校長先生、すでに他界されている。
娘さんふたりが色々なお話を聞かせてくださった。

趣味はたくさんありましたけれど
特に花が大好きで、苗が出回っていない昔なんかは
郵便で種を取り寄せて発芽させていたんです。
今でこそ、みなさんが花を気軽に育ててますけれど
当時、あんなに花の咲いた家なんて珍しかったと思いますよ。
それが学生時代から私達きょうだいの自慢でもありました。

もう少し生きてくれたら100歳だったんですけれど
じゅうぶん、よく頑張ってくれたと思います。
私たちも母にあやかって長生きしないと!
・・・おどけて笑う。けれど目には光るものが。

やっぱりあれですね、親に死なれるっていうのは
幾つになっても辛いものなんですね。
だいぶ覚悟はしていたんですが・・・。

どんな言葉もかけるべきでないときは
伏し目がちにして口角だけ少しあげて、ゆっくりと会釈するようにしています。
どのようにも、都合よく受け取ってもらえるから。
この場合は「お寂しくなりますね」という気持ちで頭を下げました。
口角だけ少しあげるのは、あなたに寄り添っていますよ、あなたの味方ですよ、というサイン。
歯をみせて笑うのはいけませんが、ほんのすこしのスマイルによって好意を表現します。

あくまでも、拙者の場合はですけれど。。。

 

『瑠璃の葬送日記&葬儀ナレーション例文』 第121号(2015/01/19配信)

著者/瑠璃
葬儀司会者・葬祭サービス派遣業・セレモニー司会講師。
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