永田町界隈を駆け巡っている「解散」の風。衆議院の任期満了が今年10月のため、いつ解散の掛け声が出てもおかしくないのは確かですが、コロナ感染拡大が収まりを見せない中で、選挙をおこなうのは現実的なのでしょうか? 小沢一郎氏の秘書も長く務めた元衆議院議員の石川知裕さんは、自身のメルマガメルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』の中で、与野党はコロナ対策に集中すべきであり、選挙「封印」を合意してみては、と現実的な提案をしています。
衆院の解散時期で駆け引きをすべきか?/いま与野党がすべき政治判断を提案する
永田町では、下村博文・自民党政調会長の発言が現実味を帯びて語られている。
下村氏は3月18日、東京都内の講演で、4月上旬に日米首脳会談があることに触れた上で、「(日米首脳会談は)首相の大きな成果となり、内閣支持率にもプラスになる。 『追い込まれ解散』という構図はつくりたくない。 勝負のタイミングとして東京都議選(7月4日投開票)と同日選挙も菅総理の頭の隅にあるかもしれない。 『連立複雑方程式』みたいなもので、解散総選挙はいつあってもおかしくない」と述べ、訪米後の解散の可能性を示唆したのだ。
下村氏が言うまでもない。 衆議院の任期満了は10月。 残り半年となったのでいつ解散があってもおかしくない。
解散のタイミングとして、「政権支持率が上がっているところでやる」が政権の戦略だ。 訪米でバイデン大統領と日米同盟について再確認し、オリンピックに向けて協力していく姿勢を国民に示せば、支持率が上昇する可能性はある。 日本人は潜在的に米国との同盟に依存しており米国大統領との良好な関係を構築した首相は比較的政権を長く維持できている。
今のところ噂されているのは、訪米後すぐの解散。 4月8日、9日に訪米した後、12日に解散するというものだ。
こうなると、4月13日公示の北海道2区衆議院補欠選挙は吹っ飛んでしまう。 選挙準備を考えると、解散から3週間以降に投票日が設定される。 そうなると連休を挟んでの投票、もしくは連休中の投票になる。 しかし、コロナワクチンの接種で自治体はてんてこまいな時期で、この案は現実的ではない。難しいだろう。
次にゴールデンウイーク明けの解散だ。 訪米での成果を上げ、デジタル庁の法案を成立させ、実績を強調して解散するという戦略だ。
このプランだと、5月25日公示・6月6日投票(ちなみに大安)となる。 だが、東京都議選と近接しているので、公明党が懸念することが予想される。
こうした政治日程をご覧になって、みなさんはどうお考えになるだろうか。
私は、ワクチンが行き渡らない中で解散ができるとは到底思えない。
私の地元では、いまだ医療関係者にもワクチンは行き渡っていない。 医療関係者に行き渡るのが大幅にずれ込んでいる。 重い疾患を持つ方や高齢者への接種も連休明けにできるかどうかわからない状況だ。
常在戦場の気構えを持たなければいけない。 それは言うまでもない。
だが、この状況下では、解散を「封印」することで、与野党が合意するのはどうだろうか。
コロナ対策に集中できる環境を整えるべきではないだろうか。
東日本大震災のときは、被災がひどい地域は統一地方選挙の実施を半年延期した。
「コロナの感染状況が落ち着くまで解散はしない」と与野党が合意し、万が一、任期満了時に感染爆発していたら、解散を無期限延期するというぐらいの考えでコロナ対策に集中すべきだ。 私はそう提案したい。
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