日本酒「獺祭」社長の大正論さえ理解できぬ、菅総理“飲食店いじめ”の不見識

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先の見えない菅政権のコロナ対策ですが、ターゲットにされていると言っても過言ではない飲食業界からは、怨嗟の声と悲鳴が上がっています。そんな中で話題となった、5月24日に人気日本酒「獺祭」の蔵元が日経新聞に掲載した意見広告を紹介しているのは、ジャーナリストの高野孟さん。高野さんはメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で今回、その趣旨への全面的な賛意を表明するとともに、飲食店ばかりに規制を強要する現在の政権の施策だけでは、コロナ抑制の効果が上がることはないだろうとしています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2021年5月31日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

「飲食店苛め」を止めろと声を上げた「獺祭」社長の見識――菅政権のやり方では「宣言」延長を繰り返すばかり!

菅義偉首相は東京・大阪など10都道府県に5月31日を期限に出していた「緊急事態宣言」をまたも6月20日まで延長せざるを得なくなり、7月23日に開会式を迎えるはずの東京五輪はいよいよ開催が難しくなってきた。

なぜこんなことになったのかと言えば、

1.戦略レベルでは〔本誌が繰り返し述べてきたことだが〕徹底検査・徹底隔離・徹底封鎖による短期集中抑え込みというメリハリの効いた方策以外にこの「未発症感染者からも感染する」という前例のない凶悪ウイルスに対処する方法がないことが明らかだったというのに、そのどれも徹底せず、ゆるゆるで、「そのうち何とか収まるだろう」と希望的観測に頼ってしまった知的怠惰。

2.戦術レベルでは、最初から「Go To Travel」など〔6:4くらいの比重で?〕経済対策優先、コロナ対策は「お願いして」個人の自粛に頼るという曖昧なやり方で、それが行き詰まった後はなぜか専ら飲食店を悪玉に仕立て、緊急事態宣言下では20時まで営業、酒の提供は19時まで、いや全面禁止、蔓延防止措置下では21時まで???とか、訳のわからない小刻みの規制を編み出して国民に押し付けてきた、国や都の官僚の机上の空論。

3.こうした戦略・戦術レベルの思考を整えようとしない菅の「ワクチン」狂信症。「7月末接種完了」(4月23日朝)、「7月末高齢者の接種完了」(同日夜)、「1日100万回接種目標」(5月7日)でことごとく河野太郎=ワクチン担当相と対立し、押し切る。「何を言われようが、ワクチンだけで突き進む」という菅の思い込みはどこから来たのか、謎。

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