五輪開催「G7全首脳が強い支持」と大嘘を吐く菅首相の厚顔無恥

 

…と言うか、世界にはもっと重要な問題が山積しているのに、極東の島国の運動会などに構っている暇などない、という空気が声明文全体からヒシヒシと感じられました。そして、最後の70の短い「まとめ」を読み始めたあたしは、最後の2行でアゴが外れそうになってしまいました。これほど長い声明文の本文には「オリンピック」の「オ」の字も書かれていなかったのに、最後の最後に、強引かつ不自然に「東京五輪」のことが2行だけ付け足してあったからです。

CONCLUSION
70. In Cornwall we have revitalised our G7 partnership. Our Shared Agenda for Global Action is a statement of our shared vision
and ambition as we continue to collaborate this year and under future Presidencies. As we do so we look forward to joining with others to ensure we build back better, in particular at the G20 Summit, COP26, and CBD15 and the UN General Assembly, and reiterate our support for the holding of the Olympic and Paralympic Games Tokyo 2020 in a safe and secure manner as a symbol of global unity in overcoming COVID-19.

 

結論
私たちはコーンウォールでG7パートナーシップを活性化することができました。私たちの「グローバルアクションのための共有アジェンダ」は、今後も議長国のもとで協力を続けて行くために、私たちが共有するビジョンと抱負を示したものです。私たちは、G20サミット、COP26、CBD15、国連総会などにおいて、他の国々とも協力し、より良い関係性を構築して行けると期待しています。あと、新型コロナを克服するためのグローバルな団結の象徴として、安全安心な方法で2020東京オリンピック・パラリンピックが開催されることへの支持を、私たちは表明します。

「and」は、本来は「そして」とか「また」とか訳すべきなのでしょうが、あまりにも「付け足し感」が全開なので、そのニュアンスを表現するために「あと」と訳してみました。それにしても、国会で壊れたボイスレコーダーのように「安全安心」を何十回も繰り返して多くの国民を呆れさせた菅首相が、国際舞台でまで「safe and secure」だなんて、本当に恥ずかしいです。

菅首相は「全首脳から大変力強い支持をいただいた」などと述べましたが、イギリスのジョンソン首相は「成功を確信している」、フランスのマクロン大統領は「開会式への出席を楽しみにしている」と社交辞令を述べただけです。アメリカのバイデン大統領に至っては、同盟国として一応は「支持」を表明しつつも「選手やスタッフ、観客を守るのに必要な新型コロナ対策を万全にするように」と菅首相に釘を刺しました。

さらには、ドイツのメルケル首相との会談では、終始メルケル首相が会談を主導して山積する重要問題を優先したため、日本側から「東京五輪」について言い出すタイミングがありませんでした。結局のところ、数人が社交辞令を述べただけなのに、それを「全首脳から大変力強い支持をいただいた」と吹聴する菅首相、まるで盛り過ぎて誰だか分からなくなってしまった女子高生のプリクラのようです。

G7閉幕後、各国の首脳はそれぞれ同行の記者団に自国民向けのコメントを述べました。あたしは念のために参加国すべての報道を確認しましたが、当然のことながら「東京五輪」について触れた首脳は1人もいませんでした。

各国首脳が世界の重要問題を議論している時に、自分1人だけ首脳声明に「東京五輪」という文言を盛り込ませるために外務官僚を使って根回しに走り回り、やっとのことで最後の最後に2行だけ付け足してもらった菅首相。G7の首脳の1人として、これほど恥ずかしいことは他にありません。そして、もっと恥ずかしいのは、こんな付け足し文を「首脳声明に明記された」「G7に支持された」と諸手を挙げて報じた日本のマスコミの提灯記事です。

きっこさんのメルマガご登録・詳細はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • 五輪開催「G7全首脳が強い支持」と大嘘を吐く菅首相の厚顔無恥
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け