今年6月、中国の名門・清華大学に入学した「女子大生」が話題となっていることをご存知でしょうか。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では国際政治経済学者の浜田和幸さんが、北京人工知能アカデミーと複数のIT企業が作り上げた、AIロボット女子大生を紹介。その実力を評価しつつ、「人間の子供が要らなくなってしまうのでは」との不安の念を記しています。
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中国で誕生した世界初のAIロボット大学生:未来の先取りか?
ぶっちゃけ、中国は世界最大の人口14億人を誇っていたのだが、長年続いた「一人っ子政策」の影響もあり、このところ人口の減少が顕著になりつつある。
このままでは、早晩、隣国インドに「人口世界1の座」を奪われるだろう。
そうした危機感からか、中国では新たな国家プロジェクトが始まった。
何かと言えば、人工知能(AI)付きのロボット大学生が誕生したのである。
学習能力を身に着けたAIロボットが名門、清華大学のコンピュータ科学部への入学を認められたという。
彼女の名前は華智氷。
しかも、美人のロボットなのだ。
多彩な能力の持ち主であり、詩を書き、絵も描く上に、ダンスも得意で、ニュース記事の執筆もお手の物。
彼女の生みの親は「北京人工知能アカデミー」と複数のAIに特化したIT企業である。
中国が世界をリードする機械学習モデルの象徴といえそうだ。
何しろ、彼女に内蔵されているAIの情報処理能力は1.75兆パラメーターで、グーグルが達成した1.6兆パラメーターをはるかに上回る。
現時点での彼女の理解力は小学生程度のようであるが、恐らくあっという間にノーベル賞級の頭脳に進化を遂げるかも知れない。
しかも、ディープラーニングの技術も装着されているため、知識だけではなく人と同じような感情も日々学習して体得することが期待されているのである。
例えば、幼い子と話すような時には、優しい声や表情を醸し出すことが自然にできる。
この6月から大学の門をくぐったばかりだが、キャンパス内でもネット上でも超人気者になっている。
キャンパス内を自由に歩き回り、皆に気楽に声をかけ、交流を重ねているためだろう。
彼女曰く「私は生まれた時から文学とアートに夢中です。私を生んでくれた科学者の先生たちは、私らしい顔や声も選んでくれました。しかも詩や歌も書けるようにもしてくれたんです」。
確かに、彼女のようなスーパー学生が増えていけば、生まれてくる子供の数が減っても問題はないかも知れない。
とはいえ、逆に考えれば、人間の子供は要らなくなってしまうのでは。
ぶっちゃけ、前代未聞の実験がAI大国の中国で始まったことは注目に値するだろう。
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image by: cherry-hai / Shutterstock.com