3.Yes But法で、改善して欲しい点について質問する
「ありがとう」と切り出し、良い点を見つけて「褒め」た後、はじめて改善して欲しい点を告げましょう。
その時、おそらくは「こうすれば良いのに」とアドバイスしたくなることでしょう。しかし、ここでも、じっとこらえましょう。
「ここは、もっと〇○した方がいいと思うけれど、君ならどうする?どうしたい?」
アドバイスの代わりに質問をしてみるのです。
4.その回答が不十分でも、任せてやらせてみる
おそらくその回答は、ご自身のアイディアより劣っていることでしょう。それでも致命的なリスクや、コンプライアンス上の問題が無ければ、思い切ってそのまま任せてやらせてみてはいかがでしょう。
「なるほど。面白いアイディアだね。それでやってみようか」
たとえご自身のアイディアが100点だとしても、部下が本気で取り組まなければ40点の成果しか上がらないかもしれません。一方、60点のアイディアでも、部下本人が言い出したことゆえ全力で取り組めば60点の成果が出る可能性もあるからです。
5.失敗しても怒らないで尻ぬぐい。反省点を考えさせ、励まし、再チャレンジを
とは言え、任せてみたら失敗するケースも多いでしょう。その時に、あえて怒らないで、黙って尻ぬぐいをすることで、大きな器を見せてあげましょう。
「最初は失敗することもあるさ。どうしたら次はうまくいくと思う?」
そこで、答えが思いつかないで逆に尋ねてきた時に、初めてヒントを出すぐらいでちょうどいいでしょう。
6.成功したら「褒めて褒める」
部下自身のアイディアで成果を上げたら、もちろん大いに褒めましょう。
「おめでとう。アイディアが生きたね。君に任せて良かったよ」
最近の若い世代は、怒られることにも慣れていませんが、褒められることも少なく自己肯定感が低いのです。褒められる時には大いに褒めてみましょう。
7.もう少し高い目標に挑戦してみたいか尋ねる
褒めて、本人も気をよくしたところで、次なる目標を目指せるよう導くことが大切です。
「この前は成果を収めて素晴らしかったね。嬉しかったよ」
「次は、もう少し難しい仕事にチャレンジしてみたらどうかな」
もちろん、チャレンジしたいと言ってくれたら喜んで応援してください。
「そうか、頼もしいね。それでは、一緒に上を目指してみよう」
しかし、イマドキの若者は「まだ自信がありません」と固辞するかもしれません。
そんな時は、じっくり待つ ことにしましょう。
「わかった。チャレンジしたくなったら声をかけてくれ」
「君には期待しているので、私からお願いする時がくるだろう。その時はよろしく」
このやり方は、まどろっこしいし、甘やかしているように見えるかもしれません。
しかし、実のところ上司としてやるべきことは、ちょっとした意識転換をした上で、「ありがとう」「いいね」「やってみようか」といった常套句を繰り返し、質問でやる気を引き出すだけです。
こうした声掛けと質問で、今よりも部下と働いてくれて、人間関係も良好になるなら、お安い御用ではありませんか。
試してみれば体感されると思いますが、叱るのにはエネルギーが要りますし反発も受けますが、褒めるのは楽で反応も良好なので精神衛生上もイイのです。
とは言え、私も、新大学では学生たちの想定外のやる気の無さに驚き、半ば修行中の身であります。お互い意識を切り替えて「やさしいコーチング」で、ストレスなき上司業&指導者業に挑みましょう。
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