右派にも左派にも責任。日本がここまで衰退してしまった「5つの原因」

shutterstock_1736658488
 

先日掲載の「超円安で『第3の敗戦』必至。ニッポンをどう復活させれば良いか?」等の記事で、衰退する一方の日本を救う戦略を考察してきた、日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さん。しかし、そもそもなぜ日本はここまで転落の一途を辿ってしまったのでしょうか。津田さんは今回、自身のメルマガ『国際戦略コラム有料版』でその5つの原因を挙げ、その各々について独自の解決策を提示。安直な方法での日本復活は、到底ありえないようです。

【関連】超円安で「第3の敗戦」必至。ニッポンをどう復活させれば良いか?

国内外の動向をリアリスト(現実主義)の観点から予測・評論する、津田慶治さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

日本衰退、5つの原因と対策

日本の衰退の5つ原因とその対策を検討しよう。

日本衰退は、根源的な問題を解決しないで放置したことが大きい。これは、保守派と革新派の政策で引き起こしている。

1つ目は、人口減少であり、これへの対応として、家族制度の改革で、女性の婚外出産の緩和や育児補助支援をしなかったことであるし、もう1つの解決である積極的な移民政策もしなかったことだ。

この対応策を阻止したのが保守系の人たちであり、日本を衰退させた一番の原因を作った人たちである。根源的な原因を除去できなかったことで、ドンドン問題が膨らんでいった。

これが原因で、団塊ジュニアの結婚適齢期の女性たちが子供産まなかったことで、日本の衰退が確定的になった。高齢人口比率が上がり、その分年金財源支出は増え、かつ生産人口が減ることになった。

このため、高齢者の年金を減らし、60歳以下の人たちの社会保険料や税金などが増加して、手取りを減らし、その分、消費が減ることなった。

2つ目は、消費が減ったことで、GDP縮減になる所、財政出動して、GDP縮減の痛みを軽減したが、抜本的な人口減少への対策をしなかったことで、赤字国債の発行が継続的かつ増加傾向になり、日銀の金融政策で、量的緩和を止めることや金利上昇ができなくなってしまったことである。

金利ゼロのままのために、円安になりインフレとなった。これを推進したのも保守系の人たちである。MMT理論とかの似非米経済学で、国民をだまし、タダ飯が食えると言ったが、それは政治的な詐欺である。

3つ目は、1990年から2020年の長きにわたり、円高になり日本企業は競争力をなくして、競争力維持のために工場を海外に移転したことである。米国の日本叩きもあるが、結果的に日本は衰退した。

日本企業を敵視して、企業を日本から追い出したのが革新派の人たちである。不当な企業利益を分配しろと言うが、企業は日本から出て、世界標準で経営するしかなくなったのである。

4つ目は、IT化の遅れであり、イノベーションがなかったことで、労働生産性の向上ができずに、賃金が上げることができなかった。

その原因は、スマホの導入が遅れたことである。ガラ携の普及率が高くて、それを駆逐できなかった。それと、若者のチャレンジできる環境が整わずに、AIなどの先端技術が遅れたことも大きい。この部分は、もう1つ、電気通信技術の日本の基幹研究組織を潰したことが、より大きいとみている。

5つ目は、空想的な平和主義と企業性悪説のために高負担の税金をと言う野党の政策と、財政出動で将来への展望がない問題先送りの与党の政策であり、日本の未来が見えないことで、海外投資家も日本への投資を回収し、日本衰退と見て空売りをしている。

日本の問題を解決しないで先送りの政治で、どんどん衰退したが、それでも政治家が目を覚まさないで問題を放置するので、今後も日本は、衰退する状態にある。

問題が次の問題を生み、その複合体が、日本の未来を暗くしている。現実を見て、問題解決して将来を明るくする政治家がいないことが、大きな問題なのである。リアリズムを日本は欠いている。

保守派の人たちは、現実を見ないで保守理念で政治を行い、革新系の人たちも、空想的な平和主義・企業性悪説で、こちらも現実を見ていない。両陣営の人たちが現実無視になっていることで、日本の真の問題を解決できないでいる。

国内外の動向をリアリスト(現実主義)の観点から予測・評論する、津田慶治さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • 右派にも左派にも責任。日本がここまで衰退してしまった「5つの原因」
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け