発熱隠しサッカー観戦が物議。「不心得者」には高額の罰金を課すべき訳

shutterstock_253314016
 

米国から帰国直後の女性と過ごした男性が、発熱や咳の症状がありながら等々力競技場でサッカー観戦。その後オミクロン株への感染が確認され、大きな問題となりました。これほどの「不心得者」に対しても何の罰則もない日本の現状を問題視するのは、軍事アナリストで危機管理の専門家でもある小川和久さん。今回のメルマガ『NEWSを疑え!』では、アメリカ、ニュージーランド、台湾の感染対策違反への罰金が2倍3倍と高額化している例を紹介し、日本も国ができないのならば都道府県の「迷惑防止条例」を適用すべきと声を上げています。

軍事の最新情報から危機管理問題までを鋭く斬り込む、軍事アナリスト・小川和久さん主宰のメルマガ『NEWSを疑え!』の詳細はコチラから

 

「甘ちゃん」には罰金で一罰百戒

ちょっとコロナを甘く見ているのではないかという出来事が起きました。米国から帰国してオミクロン株感染が確認された都内の20代の女性が男性と濃厚接触し、その男性が、これまたオミクロン株に感染していることが判明したケースです。

女性と濃厚接触した男性は、その後、発熱と咳があったのに職場に出勤し、あまつさえ12日には川崎市の等々力陸上競技場で行われたサッカー天皇杯の準決勝の試合を見に行ったことが判明しました。東京都は近くで観戦していたおよそ80人の観客に地元の保健所を通じて連絡をとり、検査を受けるよう呼びかけています。

これを見ると、菅義偉前首相の「世界でロックダウンをする、外出禁止に罰金かけてもなかなか守ることができなかったじゃないですか」という記者会見の発言(8月13日)も、いまひとつ説得力に欠ける印象です。菅さんはワクチン投与でコロナを克服するのが最も有効だと強調したかったのですが、そうではないようです。

ワクチンの有効性は確かですし、追加投与も進めるべきですが、それに頼っているだけではサッカー観戦に出かけたような「甘ちゃん」や不心得者はあとを絶たず、それが多くの人びとを危険にさらすことは避けられません。

同様の考えなのでしょう。世界の趨勢は罰金による規制に傾いているようです。

米国の国土安全保障省(DHS)は、9月10日から航空機や電車、バスなどの公共交通機関でマスク着用義務を守らない利用者への罰金を引き上げ、違反者は1回目で500~1,000ドル(5万6770円~11万3540円)、2回目で1,000~3,000ドル(11万3540円~34万620円)が科されることになりました。更新前は1回目で最低250ドル(2万8385円)、2回目以降は最高で1,500ドル(17万310円)でした。

ニューヨーク市も9月13日から、屋内の飲食店やスポーツジム、それに映画館や劇場、美術館といった施設に対し、12歳以上の利用客にワクチン接種の証明書の提示を求めることが義務づけられました。違反した場合、1000ドルから5000ドル(11万3540円~56万7700円)の罰金が科せられます。

軍事の最新情報から危機管理問題までを鋭く斬り込む、軍事アナリスト・小川和久さん主宰のメルマガ『NEWSを疑え!』の詳細はコチラから

 

print
いま読まれてます

  • 発熱隠しサッカー観戦が物議。「不心得者」には高額の罰金を課すべき訳
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け