すべての経営者が持つべき、X JAPANのYOSHIKIの使命感と突破力

shutterstock_763080625
 

一定程度の成功を収めるもののその後失速してしまう企業と、青天井の成長を見せる企業。両者の違いはどこにあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』では浅井良一さんが、X JAPANのYOSHIKI氏が語ったエピソードを紹介しつつ、マイナスの境涯が成功に対して有利な力点であることを解説。その上で、現状に満足感を抱いている経営者が持つべき意識について考察しています。

“目的”こそ成果の源泉 “使命”の覚醒

X JAPANのYOSHIKIさんが、テレビの対談番組で「曲とかを、自分を救うために書いてきた」ところが「その曲を聴いて救われた」という人の声を聞き「救われる人がいる」ことに気づいたと言ったのです。「人は“使命”を持って生きている」だから「音楽で人の幸せにすることが“使命”で」「頂点に向かって、突き進んでいく」と言うのです。

この対談でYOSHIKIさんは、10歳の時の父親の自殺を語り、またメンバーの死という経験があって「心の傷口はふさがらない。だったら流れている血で曲や詞を書こうと思った」と心境を吐露しています。ここで言いたいのは「心を打つ創作」には、それを引き起こす震源があり、そこで“使命”を感じた時“昇華”が起こるということです。

これとは別に多くのいわゆる立身出世型の経営者には、恵まれなかった生い立ちが「起爆剤」になるケースが多くあります。松下幸之助さんのような親から引き離されて丁稚奉公や、親兄弟の生活を背負った稲盛和夫さんや、在日韓国人だったために豚や羊と一緒の極貧で不衛生な生活を過ごした孫正義さんがそんな例です。

最初の出だしが“悲愴”からですが、けれど“創作”はこれとは異なる弾けるような感動や尽きせぬ楽しみから生まれ出でることもあり、ソニーの井深大さんのように幼児期からの「カラクリ大好き」や、本田宗一郎さんのように自動車の排気ガスの臭いに魅せられて追いかけまわした憧れが「心を打つ創作」に転換することもあります。

この系譜の人たちが加えての“価値観”「誰の真似もしない」「今まで世になかったものを」「世界をターゲットとし一番になる」を持ち、さらに「日本のために」「世界人類のために」「世を中に便利なものを」などの“使命感”を持つとき偉大さを出現させることにもなります。「利益をあげる」は必須条件ですが、出発点はここからです。

ここで言いたいことは、プラスにしろマイナスにしろ大きな「ポテンシャル(潜在力)」がなければ「事は始まらない」ということです。「成果を得る」については、マイナスの境涯こそが見方を変えれば“有利な力点”を得さしめることにもなるとも言えます。知恵のある渇望が、使命感を覚醒できれば約束された未来が生れます。

そんな意味では、プチ・リッチな苦悩のない幸せな境涯であるならば、不安感をさらに危機感を持たなければ、幸運は廃れかねません。経営者が、今が満足ならば満腹ならば危険であると言えます。経営者は、YOSHIKIさんのように「××で人の幸せにすることが“使命”で」「頂点に向かって、突き進んでいく」でなければ失速します。

その意味で、スティーブ・ジョブズの米スタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチ「ハングリーであれ。愚か者であれ」は、一見、奇をてらっているようで、その実ことの真実を伝えています。

print
いま読まれてます

  • すべての経営者が持つべき、X JAPANのYOSHIKIの使命感と突破力
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け