中国ですら手懐けられず。国民を虐殺するミャンマー司令官の正体

 

口先だけの介入と非難を続ける欧米諸国。

人権擁護や民間人の安全の確保という大原則を掲げつつも、空洞化する国連。

寄り添っているように見せかけつつも、実際には自国経済を豊かにするための“財布”としか取られていない中国。

国際社会からの総スカンを食らう中、武器供与と外交的なサポートで支持を確保し、アジアに勢力の飛び地を確保しようとするロシア。

そして、自国周辺のことについては何としても自分たちで解決したいASEANと、内部で綱引きが過熱する状況。

そして、欧米諸国に続いて、フライン総司令官と国軍による弾圧に避難と懸念を示しつつも、企業の撤退を命じない日本。

そして、誰もdecisiveな行動を取れないことが分かっているフライン総司令官と国軍。

そして“だれも本気で助けに来てくれないことを悟った”ミャンマー・ビルマ国民。

かつて現在のタイ王国とラオスを支配し、中国からの遠征軍をことごとく駆逐して、自らを“あまねく者を征服する民族の長”を意味するミャンマーと名付けてビルマ王国を築き、その首都を「敵は尽き果てた」という意味のヤンゴンと命名したほど栄華を極めた人々は、大航海時代に超大国になった英国によって従属させられ、その後、世界の最貧国の一つに数えられるまでになりました。

ビルマの人々は今でもその屈辱の歴史と過去の栄光を語り継いでいますが、その屈辱も栄華も、誰も真剣に気にしなくなってしまった今、その存在までもが風前の灯火となってしまうのかもしれません。

いろいろとまだまだ書きたいこともあるのですが、これからミャンマー情勢のFact Finding Teamとの夜通しの会合に臨むため、このあたりで終えておきたいと思います。

子供のころに小説を読み、そして観た映画『ビルマの竪琴』で描かれた、素朴だけれど、人々に平和があったビルマのイメージと、国連での仕事を通じてとてもよくしていただいたビルマ人の友人たちに、再び安寧の時が訪れることを切に願って。

(メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』2022年2月4日号より一部抜粋。この続きをお読みになりたい方はご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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