国連常任理事国に日本を入れることを支持するとバイデン首相が発言して話題となりましたが、国連は「もはや機能不全に陥っている」との声も多く聞かれます。そこで今回は、メルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』の著者で、小沢一郎氏の秘書を長く務めた元衆議院議員の石川知裕さんが国連について詳しく紹介。その上で、ロシアはかつての日本を同じ道を辿っているとし、今後の行動について予測しています。
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機能不全の国連で、日本が果たす役割とは
国際連合(国連)の存在意義が問われている。
国連の前身である大戦前の国際連盟は、アメリカが議会の反対で加入しないまま、日本など主要国が相次いで脱退し、平和のための国際機関として機能せずに役割を終えた。
この反省を踏まえて結成されたのが国際連合だったことは、歴史の勉強で“いの一番”に習うことである。 しかし、その国連がウクライナ危機では全く機能していない。ロシアへの制裁でもNATO側とロシア側で真っ二つに割れたままで、国連の存在は見えない。
国連の最大の課題は、国連安全保障理事会(安保理)が機能不全に陥っていることだ。これまでの国際紛争解決の際は、米ロ中が調整しながら行ってきた。しかし、ウクライナ危機では、拒否権を持つ常任理事国にロシアがいることで国連として行動することが不可能となっている。
満州事変と今回のウクライナ侵攻が極めて似ていると、私は以前に指摘した。
実効支配する領土を増やし日本人を入植させ最終的には傀儡国家を作る。この過程は歴史をなぞっているようである。ここまで一緒だと、今後のロシアの動きは、当時の日本の動きをなぞると考えられる。
それは、国際連合からの脱退である。
国際連合の枠組みは、第2次世界大戦の戦勝国であるアメリカ、ロシア(ソ連)、フランス、英国、中国を安保理の常任理事国にし、拒否権を与えている。この枠組みが現在揺らいでいることは言うまでもない。
ロシアが新たに、自国のための国際秩序として中国と連携を強めていくことは十分に考えられる。中国は、米国との戦略的互恵関係を望んでいるものの、中国の人権問題や海洋派遣拡大に関して国連が足かせになるようならロシアとの連携をさらに強める可能性もある。
国連が分裂しないようにするためには、中国と米国との対話に際し、日本が積極的に橋渡しの役目を果たすことが重要だ。参院選が近づいている。各党の主張には違いがある。 これも大きな争点の一つだと思う。
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image by: Harold Escalona /Shutterstock.com