日本のメディアが完全に騙されている「日本の農業は過保護」の大ウソ

2022.06.27
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ウクライナやロシアの農作物の輸出が激減し、他国に「食」を依存することの危険性が改めて浮き彫りになっています。カロリーベースの食料自給率が4割を切るわが国にとっても喫緊の課題ですが、そもそもこれほど食料自給率が下がってしまったのはなぜなのでしょうか。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』で評論家の佐高信さんは、『クライテリオン』7月号に掲載された東大教授の鈴木宣弘さんと京大教授で同誌編集長の藤井聡さんによる「日本の農業は過保護というウソ」を暴く対談を紹介。日本の農業政策の問題点を炙り出しています。

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日本の農業は過保護という嘘

隔月刊の『クライテリオン』7月号が届く。編集長は藤井聡だが、西部邁主宰の『表現者』の後継誌で、西部と私の縁で送ってくる。

東大教授の鈴木宣弘と藤井の対談「農こそが日本を守る」には膝を打って共感した。
「農業は過保護だ何だって嘘つかれてるでしょう?」
と鈴木が問いかけると、藤井が憤慨して、「嘘ですよ!」と同調し、こう返す。

「国の補助金なんて、半分から3分の1ぐらいまで減って、G7の中でも最低です。しかも関税は日本は圧倒的に低くて、多くの外国の農家の方が圧倒的に高い関税に守られている。だからもう、関税は高いは、補助金は多いはで、どれだけジャブジャブ公的資金で守ってもらってるんだよ!っていうような外国の農家と、TTPやらEPAやらの自由貿易の枠組みで喧嘩させられているのが日本の農家です。もうこれは完全な残酷物語です。日本の政府は本当に酷い」(『クライテリオン』7月号より。引用部以下同)

過保護だと喧伝している勢力の先頭に立っているのが竹中平蔵で、メディアも完全にそれに乗せられている。農業経済が専門の鈴木が藤井に応じる。

「外国の農家は補助金漬けで、輸出補助金も使い放題で、どんどん安く売りつけてくる。日本は輸出補助金は絶対に使っちゃ駄目で、国からの保護も一番少ないのが現状です。多くの日本人は、農作物の輸出で栄えている諸外国は『農家に競争力がある』ということが原因だと思っているようですが、それは嘘です。実態は、外国農家はあらかた藤井さんの言うように保護漬けなのです。いわば国家戦略として農業を武器として世界をコントロールするんだ…ということで攻めてくる人たちに、我々は竹槍だけで戦っているようなものですね」

度を過ぎたアメリカ依存がここでも弊害をもたらしている。アメリカは農業大国であり、日本は小麦等を買わされているのである。食料自給率が4割を切っている大きな原因がそこにある。鈴木が続ける。

「そういう本当の姿も知らないで、日本がだらしないみたいなことを言う人が多い。本当に冗談はやめてくれと言いたいですね。これだけ補助金なしで頑張って生き延びてる農家というのはほとんどが優秀な精鋭部隊です」

農業滅びてトヨタが儲けるでいいのか?

「中国の爆買いなどの影響で穀物価格が上がり、日本が買い負けをして、なかなか国内に入ってこない。それから化学肥料の原料であるリンやカリも100%輸入ですから、中国もなかなか売ってくれなくなって、もう肥料を作れなくなるんじゃなかって言ってた矢先に、ロシアとウクライナの紛争が…」

鈴木の憂いは尽きない。そんな時に中国を敵視した経済安保をやるのだから、自公政権はバカとしか言いようがない。

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