異次元緩和という愚策を続ける日銀・黒田総裁が「裏黒紙幣」と呼ばれる訳

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各国の中央銀行がインフレ抑制の利上げに動き円安が進んでも、異次元緩和を続ける日本銀行。黒田総裁の発言により、物価上昇に苦しむ庶民の感覚をまったく理解していないことが露呈したのは記憶に新しいところです。この黒田総裁に対し、「物価の番人」のはずが「株価の番人」でしかないと批判した評論家の佐高信さんは、今回のメルマガ『 佐高信の筆刀両断 佐高信の筆刀両断 』で、さらなる異名“裏黒紙幣”を冠してその政策を批判。命名の理由について記しています。

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異次元の阿呆の黒田東彦

『創』の9月号で日銀総裁の黒田東彦をバッサリと斬った。

火事を消すのが役目の消防のトップが、「国民に火事に耐える力が出てきた」などと発言したら、即座にクビだろう。しかし、これと同じことを言った日銀総裁の黒田はまだその椅子にとどまっている。中央銀行である日銀は「物価の番人」なのに、いまや「株価の番人」となってしまった。そして、それをほとんどの国民がおかしいと思わない。

これが書き出しだが、まともなお笑い芸人の大川興業総裁、大川豊は日銀に「口座をつくりたい」と電話をしたことがあるという。しかし、「普通の預金者に対して受付業務はやっていません」と断られた。わかっていてやったのだと思うが、日銀に電話してしまう大川が私は好きである。

彼と『MEN’S CLUB』というファッション雑誌で対談したのは1998年4月号だった。『金なら返せん!』(ぴあ)という痛快な本も書いている大川は、巧まずして日本の金融界のおかしさを笑殺した。

「あの、いつも思うんですけど、なんでこっちが銀行に頭をさげなきゃならないんですかね?本当は、貸す方が、借りる方に頭下げるべきだと思う。だって、利子で儲けさせてやるんだから」大川にこう尋ねられて、私は、「あなた、きわめて正当だね、でも、正当だとお笑いでうまくいくのかね」と答えた。すると大川は、「うまくいってないから借金を抱えてんですよ」と返して2人で爆笑した。

みずほ銀行に行って預金をおろそうとしたら、「何にお使いですか」と、うるさい。「答えなきゃなんないの」と言ったら、「警察の指導により」という。私も年寄りだから詐欺に引っかからないようにということかもしれないが、「私用」で通した。

後で「システム障害が不安だから」と言ってやればよかったと思った。何度も障害を起こしても、つぶれない銀行があるというのもおかしい。

1927年の金融恐慌で取り付け騒ぎが起こり、銀行の窓口に殺到した預金者を落ちつかせるために、「弐百円」札が発行された。現在のおカネに換算すると20万円ぐらいのそれをカウンターに積み上げたのである。しかし、時間がなかったために、裏は何も印刷されていなくて真っ白。それで“裏白紙幣”と呼ばれた。

おそまつ極まりないが、ニセ札まがいの“裏白紙幣”は、まさに黒田そのもの。それで私は黒田に“裏黒紙幣”というニックネームを進呈した。黒田は「日銀は政府の子会社」と発言した安倍晋三の意のままに異次元緩和という愚かな政策をやめようとしない。

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