一部の大企業やIT企業を除けば、リモートワークなどなかったかのような日本と違い、アメリカではリモートワークが広がり続けているようです。今回の『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』では、著者で人気ブロガーのりばてぃさんが、自宅だけでなく休暇中の旅先からなど、どこででも仕事をする人が9ヶ月で1300万人も増えたというアメリカのリモートワーカーの動向を紹介。リモートワークで辞めやすくなる「クワイエット・クイッティング」の動きにも触れ、雇用者側のケアの必要性についても言及しています。
この記事の著者・りばてぃさんのメルマガ
高収入・高所得な人ほどリモートワーク
8月6日時点で1ドル142円と円安がさらに進んでいますが、不景気が来ると言われているアメリカの8月の雇用が想定以上に良好だったことなどが、さらなる円安に繋がっているようです。
しかも8月はグーグルなど大手テック企業が、それまでコンスタントに進めていた新規雇用を一時停止したと報じられていまして雇用状況は冷え込むのでは?なんて見方もありましたが、8月の就業者数は予想より若干多い31万人超。7月の伸びよりは鈍化しているし、失業率も0.2ポイント悪化の3.7%でしたが、依然、労働市場は良好であると評価されています。
そんなアメリカの労働状況は、PYMNTSによると、この夏7,400万人の従業員が「どこからでも働く」リモートワークがトレンドだったとのこと。
具体的には、
(1)消費者は「どこでも仕事」のトレンドを取り入れ、9ヶ月前と比較して、新たに1,300万人の消費者が自宅以外からリモートワークをしたり、休暇中に仕事をしたり、オンラインで自分のビジネスを立ち上げたりした。
(2)中でも高所得者(年間所得10万ドル以上)の15%が7月に休暇を利用して仕事をしたと報告。つまり、休暇中でも旅先で仕事しており、これは中所得者層の約2倍、低所得者層の3倍の割合となっている。
…とのこと。
DX化が進んだことで新たな仕事の創出にも繋がっており、どうしても効率化のためのDX化という印象がある日本よりも基本の仕組みを根本から変える現象が起こっているようです。
● 74 Million Employees Embraced ‘Work From Anywhere’ Trend in US This Summer │ PYMNTS
実際、私もこのリモートワークがあることでデータサイエンス会社の仕事を自分の会社と兼務できていますし、休暇中でも仕事する社員はいるので実感できる結果です。
あと企業にとっても、例えば子育てや介護があるから休職せざるを得ない優秀な人材を雇用できる機会でもあると思います。
そういう人たちは往々にして付加価値を生み出す仕事の仕方をする傾向にあるので、効率化できるからとか安価で雇用できるということを優先するよりもある程度の給料水準にして、既存ビジネスを根本から変えてくれる可能性のある従業員として雇用すると良い変化があるかもしれません。
なお、アメリカではクワイエット・クイッティングというのもトレンドです。これはリモートで顔を合わせないからこそメールやチャットで辞職を告げやすく、静かにやめていく人のことです。
コロナ禍を経て、自分の貴重な時間を仕事だけに捧げていいのか?他の仕事や目的を探した方が良いのでは!と考える人も増えていて、静かにやめていくのだとか。
リモートワークだから仕事を続ける人もいる反面、辞めやすい状況ではあるので、企業側はこれまでとは違う従業員ケアをするか、辞めても補充できる体制を作っておく必要がありそうです。
この記事の著者・りばてぃさんのメルマガ
image by: Shutterstock.com