■実際の体験から
実際私も、1ヶ月ほどLogseqで日記・日誌的なものを書いてみたことがあります。そして、たしかにそこには便利な体験がありました。上記で検討したような流れがスマートに実現できていたからです。特に、ハッシュタグを使うことで、特定のプロジェクトの記録を串刺して検索できるのがグッドです。
しかし、そのような意図的な検索ではない、ふわっとした振り返りにはあまり役立ちませんでした。アウトライナー的に階層構造を作って、見出しだけを読み返しても、振り返ったことにはならないからです。
たとえば、「project-TH」「project-BCB」などのプロジェクト名が見出しになりがちですが、そんなものが列挙されていても、結局何をやったのかはわかりません。
かといって、何をやったのかの詳細を知るために項目をすべて展開するならば、結局それはテキストエディタで全文を閲覧しているのと変わりません。つまり、ものすごく中途半端な塩梅なのです。
このやり方をうまく機能させるには、作業記録の見出しをつけるときに、「project-TH」のような単純なプロジェクト名だけではなく、その時間に何をしたのかの要約(サマリー)をつける必要があるのでしょう。
しかしながら、毎回そんなことをやっていたら、根本的に作業記録をつけるのが面倒になることは目に見えています。少なくとも、ロギング仕事術の頻度でそうした細かい要約作りは現実的ではないでしょう──(メルマガ『Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~』2022年10月24日号より一部抜粋)
この記事の著者・倉下忠憲さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com