消費増税が「暗黒の30年」の原因
日本は、「暗黒の10年」「暗黒の20年」「暗黒の30年」などといわれます。90年代、2000年代、2010年代で30年。一人当たりGDPが1991年の世界4位から27位(2021年)まで下がっている。だから「暗黒の30年」といえるのではないでしょうか。
なぜ、こんなことになったのでしょうか?いろいろ原因はあるでしょう。増税、具体的にはタイミングの悪い消費増税が「暗黒の30年」の大きな理由だろうと思います。
消費税は1989年に導入されました。当時の税率は3%。当時は、バブル景気の真っ最中。ですから、タイミング的に悪くなかったと思います。
問題は、その後です。日本のバブル崩壊は1991年とされています。しかし、その後も経済は少しづつ成長していました。GDP成長率の推移を見てみましょう。
90年:4.89%
91年:3.42%
92年:0.85%
93年:マイナス0.52%
94年:0.88%
95年:2.63%
96年:3.13%
これを見ると、バブル崩壊の影響は93年のマイナス0.52%が底で、その後徐々に成長が加速していることがわかります。しかし、
97年:0.98%
98年:マイナス1.27%
99年:マイナス0.33%
回復基調にあった日本経済に何が起こったのでしょうか?そう、97年に消費税率が3%から5%に引き上げられたので
す。
日本経済は、バブル崩壊から回復に向かい始めていた。政府は、そんな日本経済にドロップキック(消費増税)を食らわせて成長を止めてしまったのです。橋本総理は、自分の愚かな決断を、大いに悔いたそうです。
さて、次に消費税率が引き上げられたのは2014年です。安倍総理の時代。税率が5%から8%に引き上げられました。日本では2012年から2013年、アベノミクスへの期待がとても大きかったのです。安倍さん1年目の2013年、GDPは2%成長しました。日本にとっては、立派な数字です。
ところが消費税が引き上げられた2014年、GDP成長率は、0.3%になってしまいました。日本政府はまたもや、復活に向かって歩きはじめた日本経済にドロップキックをくらわしたのです。その後は、どうでしょうか?
2015年:1.56%
2016年:0.75%
2017年:1.68%
2018年:0.64%
パッとしない数字が並んでいます。
そして2019年、消費税率は8%から10%に引き上げられました。結果、2019年のGDP成長率は、マイナス0.36%。2020年、マイナス4.62%。これはもちろん、コロナの影響です。しかし、消費税率を引き上げたことも、大きな理由なのです。
ちなみに2019年10月12月期のGDPは、前期比マイナス1.8%、年率換算マイナス7.1%でした。まだ、新型コロナパンデミックがはじまっていなかったので、これは消費税率引き上げの影響です。
私は何がいいたいのか?
日本経済は、消費税率引き上げによって、【暗黒の30年】になったのです。もし、1997年、2014年に消費税率が引き上げられなかったら、日本経済はとっくに復活していたでしょう。