ゼロコロナ終了で暗雲漂う日中関係。国益を顧みない岸田首相の愚策

 

ウェブ版『人民網 日本語版』によれば、〈フランス、タイ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、デンマーク、ノルウェー、オランダ、スペイン、ポルトガルなどの大使館・観光当局が相次いで微博(ウェイボー)に「中国人観光客を歓迎する」という投稿を行った〉という。彼らの素早さには脱帽するしかない。

観光客を取り込み厳しい競争を勝ち抜こうとするフランスやタイと比べて、対照的な岸田政権の狙いは何なのだろうか。

日本が経済成長を続けるためにはインバウンドと、その中心にいる中国人観光客が死活的に重要だという事情は、安倍政権の時代から大きく変わっていない。

このメルマガでも何度も書いてきたが、現在の中国の対日政策はかつてないほど日本に宥和的になっている。

米中対立で日本経済の重要度が相対的に高まったという事情もある。一方、中国の国民のなかにあった、日本に対する厳しい感情が薄まったことも見逃せない。

いずにせよ、かつてならば烈火のこどく怒った問題にも、中国共産党の反応は概して抑制的である。

しかし、これも繰り返し指摘してきたことだが、中国の融和的態度にも限界はある。また一度「反目」する関係に陥れば、坂を転がり落ちるように悪化するという問題も日中は抱えている。

事実中国は、昨年末の日本の動きに、かなり神経質になったことがうかがえる。

象徴的な記事がある。『人民網 日本語版』(2022年12月30日)の〈米国に「追随」し、チャンスと試練を取り違えた日本外交〉であるーー

(『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』2023年1月8日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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1964年、愛知県生まれ。拓殖大学海外事情研究所教授。ジャーナリスト。北京大学中文系中退。『週刊ポスト』、『週刊文春』記者を経て独立。1994年、第一回21世紀国際ノンフィクション大賞(現在の小学館ノンフィクション大賞)優秀作を「龍の『伝人』たち」で受賞。著書には「中国の地下経済」「中国人民解放軍の内幕」(ともに文春新書)、「中国マネーの正体」(PHPビジネス新書)、「習近平と中国の終焉」(角川SSC新書)、「間違いだらけの対中国戦略」(新人物往来社)、「中国という大難」(新潮文庫)、「中国の論点」(角川Oneテーマ21)、「トランプVS習近平」(角川書店)、「中国がいつまでたっても崩壊しない7つの理由」や「反中亡国論」(ビジネス社)がある。

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