商談を断られたあと、あなたはその商談を思い返すことはありますか? 今回のメルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』では、著者で営業コンサルタントの菊原智明さんが、 断られた商談は将来の糧となるとして、「勝ちパターン」をつくっていく過程について語っています。
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勝った理由と負けた理由から“あなたの勝ちバターン”をつくる
以前、出版社に企画書を出した時のこと。営業の企画で「いかにも通りそう」といった内容だった。
もともと編集の方が出してくれたアイデア。それに私が追記する。二人で時間をかけて練っていった。企画書の精度も申し分ない。
しかし、会議で見送られてしまう。さすがにショックだった。今までこのパターンで蹴られたことはなかった。
かなりの時間と労力をつぎ込んだ。そもそも通る前提でやっていたのだから。
この時はさすがに「この件は思い出したくもない」と思ったものだ。
それからしばらくしてのこと。上層部の方と話をする機会があった。
その企画が通らなかった理由を聞くと「そのジャンルの数字が落ちているから」といった話を聞いた。
企画書の内容以前に“全体のトレンド”をつかめていなかった。これが原因だったのだ。
当たり前のことのように思えるがこれが盲点となる。今回これに気づけたことは大きい。もしそのまま記憶から消し去っていたら…今でも同じ過ちを繰り返していただろう。
それからは企画を練る前に「このジャンルの流れが来ているかどうか」を検討するようになった。
それからはいろいろと上手くいくように。この件が非常にいい学びになったのだ。
ダメだった時の理由を聞く。これは重要だ。営業活動においても非常に大切なことになる。
あるお客様と商談をしていた時のこと。毎週スムーズにアポが取れる。話は順調に進んでいた。
気になったのは競合が1社あること。しかし感覚的には「90%は契約になるだろう」と思っていた。
しかし、予想を反してお客様から「今回は〇社にすることにしました」と連絡が入った。
これはショックだった。この時はショックが大きすぎて理由が頭に入らない。少しだけ話を聞いて諦めた。
通常なら「よっし、切り替えて次に行くぞ」といった感じになる。無理やりそう思う時も多かったが…。
しかし、このお客様のケースでは、どうしても“ダメだった理由”を詳しく聞きたくなった。
その数日後、無理を言ってお会いして頂いた。理由を聞くと、〇社の間取りを出して「この間取りは菊原さんの会社ではできないですよね」と言う。
確かにちょっと複雑な間取りだった。しかし、全くできないわけではない。お客様は勝手にできないと判断して他社に決めたのだ。
もし商談中に「このような間取りのパターンにも対応できます」と伝えていたらどうだっただろうか?
いわゆる“たら・れば”になってしまうが、敗戦は防げたに違いない。
これを教訓して、間取りについて「もしこういった希望がある場合も対応できますから」と一言伝えるようにした。それからはこういった勘違いで敗戦することはなくなった。
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