プーチンは「自滅」へ。欧米のウクライナ戦車大量供与が世界を激変させる

 

しかし、そこで行われている戦術のすさまじさ。色々な方の証言がありますが、動員でかき集められた、ろくに戦闘経験もないような人が、いわば「弾の的」のようにされていて、その人たちを含めた膨大な数の兵隊が攻め込む。万歳突撃のようなことをさせられ、次々に動員兵らが死んでいくと。その間にウクライナ兵の方も少しはやられていくという作戦…作戦と呼べるものなのか否かはよく分かりませんが。なんとも非人道的な…。もともと戦争はすべて非人道的かもしれません。

でも、戦略戦術の採用の仕方の中には、その社会が持っている民主主義だとか自由とか人権とか、人道主義というようなことについてのレベルというか、標準がそこにも現れるだろうと思います。こういう酷いことをやって、あるいはやり続けることができるロシアという国の民主主義の状況、人権の状況はこうなのだろうなあと思わざるを得ませんね。戦争は殺し合いだというのも正しいでしょうし、殺し合いである以上、そこに人道主義は関係ないというのも当たっているのでしょう。でも、殺し合いの場面の中でも、色々なことが見えてくるのだろうと思います。

今、東部では一部に激しい戦闘が起きている状況のようですが、その他の場所については、どうもロシア軍は、本格的な攻撃が出来なくなっているような気配があり、激戦はここ、バフムートだけなんですよね。このレベルで戦闘をやっているのは。ロシアはおそらく春にさらに動員をかけ、大量の兵隊と軍備を傾けてどこかに新しい戦線を構築しようとしているのだと思います。つまりは春の大攻勢をかけようとしている。

そして実は、ウクライナ軍も同じことを考えている。よく言われているように、気候気象の条件。長雨とか泥濘だとかがあるのですが、春になるとそれらがなくなって、戦闘がやりやすくなる。両軍の非常に大きな部隊同士による、大兵力同士の戦闘が起こるのではないかと言われている。そこで、ウクライナ軍からすると「領土の回復」が最大の目的のはずですので、そのためには何が必要かというと、戦争の論理では、戦車が必要ということになるのですね。

戦車の存在は領土を回復する上では非常に大きいということなのだそうです。ところがウクライナ軍が持っている戦車は数も少ないですし、能力も高くない。ロシア軍の大量の戦車群と対峙したときには、勝てそうにないわけで、ゼレンスキーさんは西側の新しい戦車を送ってくれと、支援国に対してずっと訴え続けてきたわけですね。そのためにアメリカまで行ったりもしていたわけですが。ヨーロッパの、NATOと言っても良いですが、ヨーロッパの西側諸国の基本的な軍備の中に位置づけられている標準的な戦車が、ドイツ製の「レオパルト2」というものですよと。それがほしいと。これ、古い戦車ですが、何度も改修を重ねられ、近代的な兵器に生まれかわっている。NATO軍の標準装備なわけですね。

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