スパイ気球撃墜の原因は「中国の痴話ゲンカ」涙目の習近平 処刑か戦争開始か?

 

米上空に偵察気球を飛来させたのは誰か?バカにされた「中国最大の小学生」習近平

ニューヨーク・タイムズやフィナンシャル・タイムズは、この事件は習近平の指導力に疑問を投げかける出来事であるとし、習近平政権が誇るコントロール体制や内部セキュリティが、言うほどきちんと構築されていない、または有効ではない可能性があると指摘しています。

しかも、ブリンケン国務長官の訪中を前にして、わざわざアメリカを刺激するような事態を引き起こしてしまったわけですから、わざわざ緊張関係を作り出してしまったことになります。

MITの安全保障研究プログラムディレクターのテリー・フー主任研究員は、ブリンケン米国務長官の訪中が予定されていることや、習近平が気球の航路を知っていたなら放出を承認することはなかったと思われることから、「気球が発見された場合の政治的影響を認識していなかったか、あるいは長期計画で取り組んでいたため存在を忘れていたか、そうでなければ、米中関係の緩和を望まない解放軍による策動」と論じています。

氣球事件 加深習近平領導力的質疑

また、シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院の元上級客員研究員である唐安竹氏は、人民解放軍と党中央委員会との連携不足、あるいは習近平の米中関係緩和を妨害する共産党による陰謀の可能性があると指摘しています。

元国務次官補(アジア太平洋担当)のスーザン・シャーク氏はニューヨーク・タイムズ紙に対し、「特に中国にとって国際的にも国内的にもダメージが大きいのは、中国政府の能力に対する疑問を投げかけ、それが習近平のリーダーシップに対する疑念を深める可能性がある」と述べています。

シャーク氏は、習近平は若い頃は小学校までしか正規の教育を受けておらず、中学生の時に文化大革命の「下野」運動で中断されたことが中国のネット村民に暴露され、「中国最大の小学生」と言われることがあると指摘。

今回の気球事件は、中国の誇る安全保障機構である習近平政権内のコミュニケーションとコントロールが、米国領空の不正利用や無謀な軍事的奇襲など、自信を持って世界に示すほど首尾一貫していない可能性や円滑に機能していない可能性を世界に知らしめたとし、中国がグローバルパワーとしての地位を高めることを管理できるのか、中国研究家は疑問を持ち始めていると報告しています。

痴話ゲンカに涙目?習近平政権で内紛か

つまり、以上の意見はすべて、反習近平派が仕掛けた可能性を指摘しているわけです。中国ではどんなに権力を掌握しても、反対派による策動が湧いて出てくることが歴史上、繰り返されてきました。建国の父である毛沢東も、中華人民共和国成立後ですら何度も政治的失脚の危機が繰り返され、その結果、熾烈な権力闘争が展開され、文化大革命をはじめとする大動乱へとつながっていったのです。

振り返れば、習近平の外交機会にあわせて、それを邪魔するかのようなことが起こる、ということは何度も起こっています。

たとえば2014年9月、習近平はインドを初訪問しましたが、その最中、中国と国境を接するインド北西部ラダック地方では、約1,000人の中国軍部隊がインド側に越境し、インド軍と衝突するという事件が起こりました。

中印首脳会談、国境付近では両国軍にらみ合い

よりにもよって、インド初訪問時に、中国側からインド軍を挑発するような行為が行われたのです。もちろんインドのモディ首相はこれに対して抗議し、習近平は面子を潰すことになりました。さすがにこれは習近平の指示とは考えにくいでしょう。

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