2月末からSNS上で拡散されている、「ジブリパーク」内の女性キャタクター像に対する不適切な行為を撮影した写真。そのあまりの不快さが大きな物議を醸していますが、これらの行為に関して「ノーコメント」を貫くパークの運営元にも批判の声が上がっています。なぜ彼らは毅然とした対応を取らないのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では米国在住作家の冷泉彰彦さんが、運営側の「スルー」という姿勢に納得できる部分もあるとして、真正面から向き合った際に生じる2つのリスクを提示。さらに再発防止策についても考察しています。
※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2023年3月21日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
ジブリパーク「性犯罪」写真、運営元のスルー姿勢は正解なのか
愛知県の「ジブリパーク」内で、キャラクターの像に対する「性犯罪を思わせるイタズラ写真」撮影が騒動になっています。具体的には、女性キャラクターの像の胸部をつかむ、スマホで下からスカートの中を撮影したりする様子を撮影して拡散するなどといった、見る者を不快にさせる写真撮影が横行していたようです。
最悪なのは、少女のキャラクター像を2名の人物が「いかにも誘拐」するようなポーズを取って撮影したものです。見る者に不快感と恐怖感を呼び起こすひどい写真です。
問題は、こうした撮影に関するメディアの取材に対し、運営元が本件について「ノーコメント」と回答したことで、この「だんまり」と「スルー」という姿勢に関して、かなり批判が集まっています。
一つの提案なのですが、いろいろな論点から考えてみて、運営側の「スルー」という姿勢には納得できるところもあると感じました。
1つは、この一連の写真は見る者を不快にさせるインパクトが凄いです。また、子どもや、お子さんを持つ親御さんなどが見ると、恐怖心から中には相当に傷つく人も出てくる、そんなインパクトがあるように思います。ですから、いかに犯罪行為を摘発し、再発防止を訴えるためであっても、一連の写真が「更に拡散」することは避けたいという考え方には一理あると思います。
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