「教養が大切」という人が、ビジネス書よりも小説を勧める当然の理由

Book in library with old open textbook, stack piles of literature text archive on reading desk, and aisle of bookshelves in school study class room background for academic education learning concept
 

で、私が欲しかった答えが、まさにこの「人間らしい行動や態度」ということで、これはつまり、相手の気持ち、感情、考えていることといった目に見えないエネルギーを受け止めて、理解して、それに合わせて自分の振る舞いを変えられる、コントロールできるということなんじゃありませんかね。

そしてそれができるために、何が必要かというと、他者の気持ち、感情、考えていることを追体験する、つまりあたかもその人になったかのような体験をするということです。

なんだか小難しいことを言っているようですが、簡単な例で言えば、「映画を見て泣く」というのは完全な追体験なんですよ。映画を見てホロッとするということは、その瞬間にあなたは、気分の上ではその映画の主人公になったということです。これが追体験です。

同じく小説や自伝を読んで感情移入をするというのも、これもまた追体験ですよね。自分がこの登場人物だったら、どう感じるのか、何を考えるのか、そしてどう振る舞うのか。この抽斗を増やして、たくさんのケース、シチュエーションで人間が感じること、考えること、振る舞うことの選択肢を増やす、それが教養を身に付けることだと思うんですよ。私はこれを「こころの襞を増やす」と言っています。

私はそのために、速読編セミナーを受講した人たちに、

 ● ビジネス書ではなく、小説をたくさん読みなさい

と言っているんです。こころの襞を増やすのに最も手っ取り早いのは、映画を見たり小説を読むことなんです。しかし映画は、映画を作っている監督に情動が誘導されて、受動的に追体験をさせられるので、小説に比べたらワンランク下だと思うんですよ。小説は、音楽も無く、映像も無く、自分が独りぽっちで自分のこころに向き合って、感じるモノを噛みしめていくので、こちらの方がこころの襞は増えやすいと思います。

私は読書好きを増やしたくて、このメールマガジンを書いているようなところがあるんですが、今年はもっと小説もご紹介して、こころの襞を増やして欲しいと思っています。読み終わってから、こころがジーンとして、夜寝る時までそれが続いて、寝ている時にそのシーンが夢に出てくる、そんな小説をたくさん読んで欲しいと思うんですよね。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤しょ~おん 【発行周期】 平日刊

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