コロナ禍が明け去った特需。もう「デリバリー業態」はオワコンなのか?

Osaka,,Japan,-,October,,,2019,:,Uber,Eats,Rider
 

コロナ特需で大きく売上を伸ばしたフードデリバリー業界。しかし今年3月には宅配ピザチェーンのシカゴピザが自己破産を申請するなど、業界全体が厳しい状況に置かれつつあるとの声も聞かれるようになっています。そんな現状を深掘りしているのは、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さん。堀部さんは自身のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』で今回、デリバリー業界の中でも「ゴーストレストラン」が特に苦戦を強いられている理由を、丁寧かつわかりやすく分析しています。

※ 本記事は有料メルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2023年4月24日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読どうぞ。

デリバリー業態はもう終わりなのか。今後の事業展開に対する考察

コロナ禍で急拡大したデリバリー市場。しかし様々なネガティブなニュースもあり、デリバリーはもうオワコンなのか?という議論も。

実際に様々なパターンでデリバリー事業を運営する上で様々な考察ができるので、この辺りを深掘りしていこうと思います。

■市場規模の推移

 

2016年:3,770億円
2017年:3,857億円(+2.3%)
2018年:4,084億円(+5.9%)
2019年:4,183億円(+2.4%)
2020年:6,271億円(+50%)
2021年:7,909億円(+26%)
2022年:7,489億円(-5.3%)

エヌピーディー・ジャパン株式会社の調査ではこのような結果になっています。

デリバリーは、「販売」「製造」「配達」の3要素で成り立ちます。

今までは「製造」ができても「販売」や「配達」が出来ず、事業拡大できる企業は限られていました。

それがUberEATSや出前館、そして撤退した様々なサービスが増えた事で参入障壁が大きく下がりました。

そしてコロナ特需!これによって大きく伸びたのが足元数年ですね。

足元の倒産ニュースはどんな感じ?

東京商工リサーチの2022年度データだと、宅配飲食サービス業は前年同期比2.2倍の35件が倒産。

たった35件?と思うかもしれませんが、倒産は廃業や撤退とは違いますので、伸びているという視点を掴む事が大切です。

内訳としては29.6%が新興企業のようで、コロナ禍で初めてすぐ倒産ケースもあるようです。

大きなところだとシカゴピザが負債15億円で破産手続き申請したことも話題になりました。

苦戦しているデリバリーの特徴

デリバリーと一口に言っても、

  • 仕出し
  • ケータリング
  • オードブルデリバリー
  • 寿司
  • ピザ
  • ゴーストレストラン

など様々挙げられます。

今苦戦しているデリバリーの特徴は?と言うと、圧倒的に「ゴーストレストラン」。

IR情報が出ている出前館を見ると、下記となります。(2Qの数値)

GMV:542億円(前年比89%)
注文数:2,021万件(前年比84%)
アクティブユーザー数:770万人(前年比90%)

他のやはり反動が生じていることがわかります。

ちなみに出前館のDAUシェアが49%程度を考えると、出前館の今期修正予測が「2,000億円」。

フードデリバリーアプリの市場規模は「4,000億円」程度か?とわかります。

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