ほとんど何もしない成年後見人が受け取る高額な報酬
なぜこうなるのか──といえば、前述の通り、被後見人にカネがかかると、被後見人の「現金資産総額」が減るからです。
現金の資産総額が減ると、法定後見人の「名ばかり後見」に支払われる家裁で決められた月額報酬も減らされてしまうからです(法定後見人は年に1回だけ、家裁への形式的な後見状況の報告義務がある)。
法律専門職による法定後見人の月額報酬は、管理する現金資産が1,000万円以下の場合は月額2万円、5,000万円以下の場合は月額3~5万円、5,000万円以上は6万円、1億円以上なら10万円というのが、家庭裁判所が決める相場となっています。
ほとんど何もしないのに、毎月結構な高額報酬が得られるのです。
たとえ、月額報酬が一番安い2万円の貧乏な認知症高齢者の「法定後見人」になったとしても、それらの人たちを複数で束ねた「法定後見人」になれば、毎月何もしなくても多額の不労所得が入ってきます。
2万円の最低月額報酬の認知症高齢者の「法定後見人」として20人を担当すれば毎月40万円、30人で毎月60万円、40人で毎月80万円の不労所得が、法律専門職にはもたらされるのです。
こんなオイシイ商売は他にどこにもないでしょう。
当然ですが、現金資産額の乏しい、生活保護受給の認知症の老人への法定後見などは嫌がられ、放置プレイで極端に粗雑に扱われます。
あるいは、月額5万円の法定後見人を10人束ねてやれば、何もしなくても月額50万円で、年収は600万円になり、20人なら年収は1,200万円にもなります。
10年長生きしてくれれば、6,000万円から1億2,000万円も儲かります。
「法定後見」といっても普段はほとんど何もしないのですから、これらは「不労所得」に限りなく近いわけです。
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