汚い弁護士、裁判所もグルか?狙われた金持ち家族が地獄の苦しみを味わう「おバカな法律」の落とし穴

 

法律専門職の「性善説」を過度に担保した「おバカな法律」

2022年9月時点で、日本における65歳以上高齢者は、3,627万人を数えます。人口比では、国民の29%に及びます。

このうち、認知症有病率は16.7%なので、約600万人が該当します。

認知症有病率は、これからも増え続けることが想定され、2030年には744万人、2050人には800万人を超えると推計されています。

つまり、1人で売買や契約といった法律行為を行うことが困難な65歳以上高齢者が、今後日本中に溢れかえる社会が待ち受けているわけです。

こうした認知症有病者の中には、高額な財産を保有している人も少なくありません。

法律専門職の人たちは、こうした金持ちの認知症高齢者の財産を狙い、シノギとする事例が増えているのが、昨今極めて問題なのです。

ちなみに、「成年後見制度」とは、知的障害や精神障害などにより、判断能力が不十分な人の財産管理や権利を守るために出来た制度のことです(財産管理や身上監護)。

成年後見制度には、本人が将来の自分のためにあらかじめ親族や知人の中から後見人を定め、支援内容も決めておく「任意後見人」と、家族や行政機関から、認知症などで判断能力が不十分と看做されたことで選任される「法定後見人」の2種類があります。

かつて、成年後見制度がスタートした2000年当時には、法定後見人は、9割が親族から選ばれる「任意後見人」ばかりでした。

しかし、財産横領などが頻発するトラブルが絶えなかったこともあり、2016年に国は、司法書士や弁護士などからの強い要望も受けて、「成年後見制度利用促進法」を制定します。

これが大いに問題のある法律でした。

弁護士や司法書士、行政書士といった法律専門職に対する安定的な「食い扶持」確保の機会を提供する格好の機会提供となったからです。

法律専門職の「性善説」を過度に担保した、おバカな法律だったからです。

ちなみに「成年後見人」による横領などの不正被害額は、最高裁の調査によれば、2011年から2021年の11年間において、289億円(169件)にのぼり、うち94%が親族後見人によるものでした。

この状況を見ると、法律専門職による横領などの不正は、全体のたったの6%で約2億円にすぎないため、一見安心しがちですが、油断は禁物なのです。

後述しますが、法律専門職の彼らは、普段はろくに後見の仕事もしていないくせに、月額の定期収入のほうだけをガッポリ長く稼ぐことに主眼を置いているからです。

「成年後見制度利用促進法」が制定された経緯から、市区町村などの自治体側も、法律専門職の「法定後見人」選定のほうを推進するようになりました。

また、家庭裁判所も親族の法定後見人を認めなくなったため、現在では「法定後見人」といえば、8割が法律専門職となっているのが実際のところです。

ちなみに、法定後見人には、3種類の後見類型があります。

判断能力の水準に応じた区分で、常に判断能力が欠けている状態の「後見」、著しく判断能力が不十分な状態の「保佐」、判断能力が不十分な状態の「補助」とありますが、現実には、法定後見人の7割が最重篤レベルの「後見」に集中しています。

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