実は水面下で接触していた日本と北朝鮮。拉致被害者問題に「大きな進展」か?

Kim Jong Un, North Korea's leader, arrives at the railway station, for his departure to North Korea, in Vladivostok, Russia, on Friday, April 26, 2019.Kim Jong Un, North Korea's leader, arrives at the railway station, for his departure to North Korea, in Vladivostok, Russia, on Friday, April 26, 2019.
 

なかなか進まなかった北朝鮮による日本人の拉致被害問題。しかし、6月に両国が急接近していたことをご存知でしょうか? 韓国の報道を翻訳する形で、この大ニュースを伝えるのは、無料メルマガ『キムチパワー』。韓国在住歴30年を超える日本人著者が、日本では報じられない詳細について紹介しています。

日本と北朝鮮が「実務接触」の意味

北朝鮮と日本が先月、第3国で数回にわたって実務接触を行っていたことが分かった。日本人拉致被害者問題、高官級会談の開催などをめぐって直接会って立場調整に乗り出したのだ。

これに先立って5月27日、岸田文雄首相が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と会談し、日本人拉致被害者問題を解決することを望むと明らかにしたところ、北朝鮮は2日後「会えない理由はない」と明らかにしていた。その後、実際の会合につながったわけだ。双方は今回の実務会談で、主要事案に対する見解の相違を縮めることはできなかったという。ただ、会談に対する双方の利害関係が合致すれば、高官級交渉につながる可能性もあるという観測も出ている。

2日、複数の情報筋によると、北朝鮮と日本は最近、2回以上水面下での接触に乗り出したという。消息筋は「双方の実務陣が中国とシンガポールなどで会ったと聞いている」と明らかにした。続けて「日本が米国にも事前に会合事実を伝えたと聞いている」と付け加えた。

日本政府は1970、80年代に日本で行方不明になった人の多くが北朝鮮に拉致されたと見ている。岸田首相は最近、北朝鮮との直接交渉を通じてこの問題を解決しようとする意志を積極的に示した。北朝鮮の立場では、日朝対話が韓米日3国の協力を揺るがすのに役立つと判断した可能性が高い。また「韓国パッシング」戦略を通じて尹錫悦政府を焦らせる可能性もあるという計算もしているようだ。

ただ、拉致被害者問題などをめぐって日朝間の立場は依然として平行線を描いているという。別の消息筋は「北朝鮮外務省が出した最近の立場が実務接触後、双方の気流が反映されたもの」と話した。先月28日、北朝鮮外務省日本研究所の李炳徳(イ・ビョンドク)研究員は「日本人が言う拉致問題について話すなら、韓国の雅量と誠意ある努力によってすでに(拉致問題は)取り返しがつかず、最終的に完全無欠に解決された」と主張した。

まず、北朝鮮の立場では韓米日3国間協力の輪を弱め、国際的孤立から脱するために相対的に負担が少ない日本を選んだ可能性が高い。韓国政府筋は、「北朝鮮が日本との会談を通じて、韓米日3国の協力気流を確認し、日本をせっ突いて韓米の反応まで探ってみようとする試みとみられる」と述べた。

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