狂乱の北朝鮮。日本政府による拉致問題の国連シンポ開催に猛反発

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「拉致問題はあくまで解決済み」とする北朝鮮。そんな信憑性に欠ける主張がまたも繰り返される事態となっています。今回のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では宮塚コリア研究所副代表の宮塚寿美子さんが、拉致問題に関する日本の国連シンポジウム開催に北朝鮮が見せた激しい拒否反応を紹介。その上で、日本政府が北朝鮮に対して要求すべき事項を提示しています。

※本記事は有料メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』2023年7月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

北朝鮮 拉致問題の国連シンポジウム開催へ最終かつ完全解決を改めて主張

2023年6月28日付の北朝鮮の朝鮮中央通信は、同国外務省日本研究所の李炳徳(リ・ビョンドク)研究員名義の27日付の記事を掲載した。

記事の内容は、日本政府が6月29日に北朝鮮による拉致問題の解決に向けたオンライン形式の国連のシンポジウムを開催することについてである。筆者にも毎年拉致対策本部から直々にお知らせがくる。同シンポジウムはこれまで毎年日本国内で定期的に行われてきている。

今回は、米国、オーストラリア、韓国、欧州連合(EU)と共催したのである。国連のサイドイベントとして、「グローバルな課題としての拉致問題の解決に向けた国際連携」をテーマにしたものである。被害者家族の「生の声」の訴えとして、タイ人の拉致被害者であるアノーチャ・パンジョイ氏の甥も参加した。米ニューヨーク時間に合わせて、日本では午後9時から生配信された。もはや、この北朝鮮による拉致問題は、日朝間の問題として収まらず、国際問題にしなければ風化してしまうのかもしれない。

この大々的な国連主導のグローバルな問題として提起されたことに対し、北朝鮮は記事で、「尊厳の高いわが共和国(北朝鮮)の国際的イメージに泥を塗って集団的な圧迫の雰囲気をつくり出そうとする敵対勢力の断末魔さながらのあがきに過ぎない」と断定するとともに、「『拉致問題』について言えば、わが方の雅量と誠意ある努力によってすでに元に戻せないほど最終的かつ完全無欠に解決された」と主張したのである。

北朝鮮の公式ウェブメディアで拉致問題について解決済みなどとする立場を示す形容表現が用いられたのは、2023年5月29日に朝鮮中央通信のウェブサイトに掲載された同日付の朴尚吉(パク・サンギル)外務次官の談話で「すでにすべて解決された拉致問題」という表現が用いられて以来、約1か月ぶりである。

また、「日本が実現不可能な問題を前面に掲げ、旧態依然として国際舞台に持ち出しているのは無意味な時間の浪費であり、『前提条件のない日朝首脳会談』を希望すると機会があるたびに言及している日本当局者(岸田文雄首相を指す)の立場を自ら否定することに等しい」と強調している。

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