まず、死亡した夫の過去の年金記録を見ます。
亡くなるまでにあまり未納(過去に年金に加入しなければならない期間がある場合はその3分の1を超える未納がない事)があると遺族年金は貰えない場合があります。3分の1というのは33.33%なのでそれを超える未納率はダメって事ですね。
過去の記録のうち、20歳になる平成16年7月から死亡日の属する月の前々月である令和5年6月までの228ヶ月の記録を見ます。なんで死亡日の前々月までの記録なの?というのは前述したように納付期限の関係です。
この228ヶ月のうち、未納なのは36ヶ月ですね(未納率g%<33.33%)。
よって、年金記録はクリア。
次に受給する遺族である妻と子とは同居であり(生計を同じくしていた)、妻に関しては前年収入は850万円未満(前年所得が655.5万円未満でも良い)でした。この2つを満たしてる場合を「生計維持されていた」といいます。
生計維持されていたというと養ってもらっていたというイメージがありますが、そういうわけではないです。
死亡時は国民年金加入中、死亡までの死亡者本人の年金記録はOK、生計維持要件もOK。
なので、貰える遺族年金は国民年金からの遺族基礎年金となります。
遺族基礎年金は「子のある配偶者」か「子」のみですので、その条件は満たしています。
受給するのは配偶者。
あれ?過去に厚生年金に加入してるけど、それは遺族厚生年金として貰えないの?というと、これは貰えないです。厚年加入中の死亡とか(他にもいくつかありますが割愛)、未納以外の年金記録が25年以上ある場合だったら貰えてましたが、満たさないので国民年金からの遺族基礎年金のみとなります。
・令和5年8月の翌月から妻へ支給される遺族基礎年金→795,000円+子の加算金228,700円×2人=1,252,400円(月額104,366円)
・遺族基礎がもらえる人は遺族年金生活者支援給付金→5,140円(年間61,680円)
なお、給付金は所得が4,721,000円を超える人は停止となります(10月分から翌年9月分まで)。
子が2人いますが、上の子が18歳年度末を迎えると、子の加算1人分228,700円がなくなって795,000円+228,700円+給付金61,680円=1,085,380円となり、2人目の子が18歳年度末を迎えると年金は消滅して0円となります。
余談ですが、例えば妻が再婚すると遺族基礎年金は消滅するので、その後は子2人が受給する事になります。
子2人で受給となると、795,000円+228,700円+給付金61,680円=1,085,380円÷2=542,690円(月額45,224円)をそれぞれ受給します。
ただし、親と同居などで生計が同じであれば、子への遺族基礎年金と給付金は全額停止します。