地球の“沸騰化”を阻止せよ。夏場の「長い昼休み」が全人類を救う理由

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今夏もまた人命に関わる酷暑に襲われている世界各国。人類が自らが招いた結果とは言うものの、このまま座しているばかりでは状況の好転は望めません。我々に打てる手はないのでしょうか。今回のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では元国税調査官で作家の大村大次郎さんが、温暖化の一番の原因を火力発電とした上で、温室効果ガスをダイレクトに減らす方法を提示。「夏場の長い夏休み」を強く推奨しています。

沸騰化する世界を救う「夏の長い昼休み」。最も効果的な温暖化対策

最近、暑い日が続いていますね。この暑さは殺人的ですね。10年前とは明らかに気候が違いますし、年々、暑さが過酷になっていきます。20年後には、日本に住めるのか不安になるほどです。おそらく、多くの人が同じような不安を持っているのではないでしょうか?

国連は「今は地球の温暖化ではなくもはや地球の沸騰化である」という表現で、各国に対策を求めました。先進国の集まりであるG20が温室効果ガスの80%を排出しており、国際会議により各国に温室効果ガスの削減義務が課せられているのですが、なかなか効果が上がりません。

温室効果ガスを削減するために、工場に省電力の設備を導入したり、植樹をしたりしていますが、なかなか効果は表れていません。このままでは効果が表れる前に、地球が沸騰してしまいそうです。

ところで、温室効果ガスの排出の一番大きな原因は火力発電です。電力には「貯められない」という欠点があります。最近では蓄電池も進歩していますが、国全体の供給を賄えるような蓄電技術はまだ開発されていないのです。そのため発電側は、つねに電力消費量が増えたときに対応できる体制をとっています。そして電力が平常よりも増えたときに、もっとも活動するのが火力発電なのです。

水力発電や太陽光発電などは、天気や気候に左右されるものなので、そう簡単に発電量を増減できません。原子力発電も、こまめに発電量を調節できるものではありません。だから電力量の調整を担っているのは、火力発電なのです。電力消費が大きい時期に、その増えた分の発電を行っているのは、発電量の調節をしやすい火力発電なのです。

逆に言えば、電力消費の多い時期に、電力消費量を抑えれば、ピンポイントで火力発電の発電量を減らすことができるのです。それはすなわち温室効果ガスをダイレクトに減らせるのです。

ピーク時の電力消費量をもっとも引き上げている場所

電力消費量のピーク時というのは実は夏です。一日あたりの電力消費量は冬の方が大きいのですが、冬は人々が活動する昼間は、暖房の電力消費量が減るので、ピークの電力消費量はそう大したことはないのです。しかし夏の場合は、人が活動する昼間にエアコンの使用もピークに達するので、瞬間的な電気消費量が増えるのです。

だから、夏の昼間の電力消費量を下げれば、火力発電の発電量を大きく減らすことができ、すなわち温室効果ガスを大きく減らすことができるのです。

そして夏のピーク時の電力消費量をもっとも引き上げているのは、実は小売業や飲食業なのです。百貨店やショッピングモールなどの大型商業施設で使われている冷房こそが、電力消費を引き上げている最大の要因なのです。また冷房というのは電力を喰うだけではなく、屋内を冷やすために熱気を外に排出するので、外気の温度を直接的に上昇させる作用があります。都市部の気温が上がる「ヒートアイランド現象」も冷房が要因の一つとされています。

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