営業力を試すためにロールプレイングという手法は有効であり、さまざまな場所で使われています。今回のメルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』では経営コンサルタントで関東学園大学で教鞭を執る菊原さんが、ロールプレイングの審査をした際に見ている箇所をレクチャー。声は上ずっていて、早口。パッと見は「これはダメだな」と感じた挑戦者に最高評価を付けた理由とは?そこから得られるヒントがきっとあるはずです。
ロープレの審査員は営業スタッフの何を見ているのか?
人の営業力を評価する。これは簡単ではない。どこの部分をどう判断していいか迷う。
今まで、いろいろな場所で“ロープレの審査員”をさせて頂いた。
・会社のロープレ大会
・録画したものチェックする
・セールスグランプリ
・プレゼン大会
などなど。いろいろな場所でロープレを見てきた。ジャッジは難しいが、非常に勉強になる。
ある大会で他の審査員の方に「何を基準にジャッジしていますか?」と質問したことがあった。
その方は「質問から入っているか、ですね」と教えてくれた。これは一つの基準となる。
ロープレでは一定の条件が与えられる。それを相手役に対して売込みや説明をする。時間も限られているので難しい。
さらには人に見られている。緊張するのは当たり前だ。私もロープレは大の苦手だった。
中には場慣れしていて“こなれた雰囲気で明るく話す”という営業スタッフもいる。時には笑いを取って会場を盛り上げる。
こういった人は「結構いいんじゃないか」と一瞬思わされる。今まではこういう営業スタッフを高く評価していた。
しかし、冷静に考えると「内容的はあまり良くなかったのでは」と思うことも。表面的なことに騙されてしまう。
その点、“質問から入るかどうか”という基準があると、正確に見極めができる。これは便利だ。
ある営業スタッフの番になった際“誰が見ても緊張している”といった雰囲気だった。
声は上ずっていて、早口。パッと見は「これはダメだな」と思う。
しかし、その営業スタッフはお客様に対して「どうしてこの商品を検討しようと思ったのですか?」と質問していた。
こう聞かれたお客様が「ちょっと家が古くなってきましてね。水回りとか」と話し出す。
お客様が話すと流れが変わる。会話がかみ合うように。質問をきっかけにして落ち着きを取り戻した。
最後まで見て、私は“最高評価”のジャッジをした。
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