適度な「レッテル貼り」で褒める!人間関係を向上させる簡単テクニック

 

適度な「レッテル貼り」で褒めるとよい人間関係に!

人間関係を向上させるには、礼儀正しく接する、感謝する、人を褒める──といったコミュニケーションが大事なのは言うまでもありません。

ただし、過ぎたるは及ばざるがごとしで、意識してやりすぎると別の結果も招きます。

たとえば、いつも誰かをほめている、讃えている──といった場合はどうでしょうか。

人はほめられすぎる──と増長し、評価者を小バカにするようにもなります。相手にもよりますが、その辺のさじ加減が難しいのです。

自分では友好的で立派な行為と思っていても、相手によってはやりすぎは禁物なのです。

それでも、褒め方や讃え方にひと工夫さえ凝らせば、けっしてそんな事態にも陥ることはありません。

よい褒め方、よい讃え方は、相手をベタ褒めするのではなく、「適度なレッテル張り」によってもたらされます。

適度なレッテル貼りなら、適切な人間関係も構築できるからです。これを「ラベリング効果」と呼んでいます。

つまり適度なレッテル貼りなら、よい意味でこちらの期待にも沿ってもらえるような人間にもなるからです。

部下からの仕事が早く上がってきた時には、「仕事が速いね」とタイミングよくほめてあげます。

すると、次第に、部下の仕事の効率がどんどん上がっていくでしょう。「仕事の早い山田くん」といったレッテルだからです。

同僚にパソコン操作を教えてもらう際には、「きみはパソコンの達人だものね」などと一言讃えておくと、パソコン操作で困った時には、いつでも頼みやすくなっていきます。

「パソコン達人の鈴木くん」といったレッテル だからです。

新婚当初は、奥さんの手料理がイマイチかもしれませんが、何か一品でも「これはうまいね」などとほめ続けていると、奥さんの料理の腕も上がっていきます。

「料理のうまいぼくの奥さん」といったレッテルだからです。

このように、同じレッテルを貼り続けてほめる「ラベリング効果」はよく知られていますが、なぜ、よい結果へとつながるのでしょうか。

それは、自尊心がくすぐられて快感──ということもありますが、「よい人物像」のレッテルを貼られると、その人物像を継続して演じたいという「一貫性の原理」がはたらくからです。

一貫性の原理とは、最初に示した態度を一貫させたい──という人間の習性です。

最初にYESと答えると、次々YESの肯定的態度をとりたくなり、反対に最初にNOを打ち出してしまうと、NOという否定的態度を取り続けたくなることをいいます。

人はこういう習性に支配されているのです。

自分の思想や行動は、一貫性をもっているほうが、社会的な信頼度も高くなる──といった暗黙知もはたらくからでしょう。

つまり、誰かによいイメージのレッテルを貼られると、つねにそういうよいイメージの人物像を演じて、レッテル通りに対応したくなるのが人間なのです。

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