ビジネス書を読んだことがある人なら一度は目にしたことがある「マズロー」の名前。いわゆる「マズローの5段階欲求」と呼ばれるもので、多くのビジネスマンが5段階目の「自己実現の欲求」にたどりつきたいと考えているのではないでしょうか。今回のメルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』では経営コンサルタントで関東学園大学で教鞭を執る菊原さんが、マズローの「自己実現の欲求」以前に、まずは第一段階である「生理的欲求」が重要である理由を解説しています。トップ営業マンが、第一段階の「生理的欲求」を重視して実践していることとは?
トップ営業は“マズローの第1段階”で調子を取り戻している
ビジネスの本や心理学関係の本を読んでいると、“マズローの5段階欲求”の話が出てくる。
あまり本を読まない営業スタッフでも「マズローは聞いたことがある」というくらい有名。このメルマガを読んで頂いている方は知っているだろう。
念のため、解説する。マズローの5段階欲求は次の5つから成り立っている。
- 生理的欲求
- 安全の欲求維持
- 社会的欲求
- 承認欲求
- 自己実現の欲求
マズローの5段階欲求はまず「1の生理的欲求」から始まる。
生理的の欲求が満たされてから「2.安全欲求、3.社会的欲求、4.承認欲求」と進んでいく。
それが満たされたとき「5.自己実現の欲求」にたどり着くというもの。
これは家づくりとも似ている。家づくりは“地耐力、基礎工事”からスタートする。
しっかりとした基礎ができてから「柱を立てる→屋根をふく→壁を作る→内装工事」と進んでいく。基礎が無い状態で柱も屋根も作ることは出来ない。
このように考えると「基礎工事が最も重要だ」ということが分かる。
しかしマズロー5段階欲求の場合「やはり頂点にある自己実現が一番重要なのかな」といった印象を持つ。
もちろん重要だし「このような目標を達成したい」と思うことは大切だ。
しかし、基礎工事が出来ていないと柱が立たないように“1段階目の欲求が満たされなければ次には進めない”ということになる。
こうなると軽視しがちな第1段目の“生理的欲求”が最も影響力があったりするのだ。これは多くのトップ営業スタッフが証明している。
知人の凄腕営業スタッフと会った時のこと。外資の生命本業界で10年以上結果を出し続けている。これは素晴らしいことだ。
こんなすごい人でも「月に2~3回は調子が落ちますね」と言っていた。
営業は並みがある職業。どんなにすごいトップ営業スタッフでも「なぜか契約が取れない」といった時期が来る。
ただし、ダメ営業スタッフとの違いは“調子を取り戻すのが早い”ということ。
この知人は「調子が悪くなった時、とにかくおいしいものを食べます」と言っていた。
「調子が落ちてきているし、モチベーションが上がらない」と感じたとする。そんな時は17時に仕事を切り上げる。
そして、隠れ家的なイタリアンのお店でゆっくりと食事をする。いいワインも飲む。これでお腹も心も満たされる。翌日から頑張れるという。
研修先のトップ営業スタッフのこと。この人は体育会系。
若い人には珍しく“パワーと体力で乗り切る”といったタイプだ。ちょっと昭和の香りも感じるが。
そんな彼も時には落ち込むことも。その解決策として「嫌なことがあったら早く寝ますね」と言っていた。
普段は21時くらいまで仕事をしている。そして「夕飯を食べて寝ると23~24時くらいになる」という。
しかし、調子が出ない時は「18時に仕事を切り上げて22時には寝ます」と言っていた。
22時から朝7時までたっぷり寝る。これでリセットされるという。
食欲、睡眠欲はまさに生理的欲求。第1段階の欲求だ。これを徹底的に満たす。これは非常に大切なとこと。
私自身は“21時に寝て4時に起きる”といった生活をしている。
この時間に寝て早起きすると“睡眠欲”はバッチリ満たされる。
昨日にどんな失敗をしたとしても、次の朝は「さぁ、切り替えて頑張るぞ」といった前向きな気持ちになる。
食欲については“好きなものはお腹いっぱい食べる”といったやり方はしない――(メルマガ『
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