首相になるための“手段”。日本に原発を導入した男の名前と「卑怯な手口」

ts20230911
 

8月24日に海洋放出が始められた、福島第一原発の処理水。政府や東京電力はその安全性を強調していますが、果たしてそれは信用に値するのでしょうか。今回のメルマガ『ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)』では著者の伊東さんが、処理水に含まれるトリチウムに関する分子生物学者の意見を紹介。さらに日本に原発を持ち込んだ人物の名とその動機を取り上げるとともに、自民党と読売新聞社が「処理水問題の責任」を負っている理由を解説しています。

プロフィール伊東 森いとうしん
ジャーナリスト。物書き歴11年。精神疾患歴23年。「新しい社会をデザインする」をテーマに情報発信。1984年1月28日生まれ。幼少期を福岡県三潴郡大木町で過ごす。小学校時代から、福岡県大川市に居住。高校時代から、福岡市へ転居。高校時代から、うつ病を発症。うつ病のなか、高校、予備校を経て東洋大学社会学部社会学科へ2006年に入学。2010年卒業。その後、病気療養をしつつ、様々なWEB記事を執筆。大学時代の専攻は、メディア学、スポーツ社会学。2021年より、ジャーナリストとして本格的に活動。

福島第一原発、処理水放出開始 トリチウムの実態 核についての第二の敗戦 日本に原発を導入したのは誰だ?

東京電力は8月24日、福島第一原発の処理水の海洋放出を始めた。放出は、第一原発の廃炉完了まで約30年続く。

原発事故から12年たっても、処理水の元となる汚染水は日々発生しており、計画通り2023年度に約3万1,200トン放出しても、敷地内に林立する保管タンク約1,000基のうち、減るのは約10基分にとどまる(*1)。

しかし、放出開始後も、まだ課題は山積みだ。

東電は、24日放出分の処理水のうち約1トンを海水約1,200トンで希釈したうえで大型の水槽にため、東電が設定した放出基準の1リットルあたり1,500ベクレル未満(国基準の40分の1)を大きく下回る最大63ベクレルと確認。

同日午後1時3分に放出を開始、処理水は海底トンネルを通り、沖合約1キロで海に拡散した(*2)。その後は処理水を増やし、午後5時時点では計算上の濃度は1リットルあたり206ベクレル。

今後は、1日あたり処理水約460トンを放出。初回は、計約7,800トンを17日程度かけて流す予定。2023年度は、計4回の放出を計画している。

他方、国内のマスメディアの報道は海洋放出に賛成一辺倒で、違和感が残るのは事実。しかし放送法第4条の四は、

「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」

とあるが、現状、日本のメディアが処理水の海洋放出に反対できないことは分かりきっている。

「国境なき記者団」による2022年度の報道の自由に関する国際ランキングでは、日本は71位に低迷。ケニア(69位)、ハイチ(70位)、キルギスタン(72位)、セネガル(73位)と同レベルだ。

今年の調査では、日本の状況について、「メディアの自由と多元主義の原則を支持している」としたものの、政治的圧力やジェンダー不平等などにより、「ジャーナリストは政府に説明責任を負わせるという役割を十分に発揮できていない」と批判した(*3)。

目次

  • トリチウムの実態
  • 近畿大学研究チームが5年前、トリチウム除去に成功も
  • 核についての第二の敗戦

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