民間保険商品の売り文句にダマされて「年金を払わない人」が陥る老後地獄

 

2.公的年金は毎月1つの保険料で3つの人生リスクをカバーする。

さて、そんなめんどくさい民間保険ですが、公的年金はどうかというと少なくとも20歳になると強制的に国民年金の被保険者になり、60歳前月までは保険料支払い義務が課されます。
自営業や農家、学生、自由業のように国民年金のみ加入の人は毎月16,520円(令和5年度)の国民年金保険料を自ら支払う必要があり、サラリーマンや公務員は厚生年金に加入してるので厚生年金保険料が毎月給料やボーナスから9.15%の保険料が天引きされます。会社も同じだけ9.15%の保険料を負担します。

公的年金に強制的に入ってますが、多くの人はこれが約40年以上先の60歳台になってから貰う老齢の年金のためと思っています。

だからそんな先の想像も付かない将来のために保険料を払い続けるなんてダルいなあと思うのでしょう。

しかし、毎月国民年金保険料や厚生年金保険料を払うだけで、老後の年金だけでなく、死亡時、障害を負った時の3つをカバーしているのです。

民間保険だとあれこれ特約付けたり、他にそういう保障をする保険に入って別に保険料を払う羽目になるでしょうけど、公的年金は1つの保険料を払えば人生の3大リスクである老齢、死亡、障害に対応しているのです。

しかも国民年金保険料は約17000円程度でそれらを保障する(厚生年金保険料は給料が高い人ほど保険料高いですが、一番高い人で月59000円くらい払う)。

もちろん17000円という保険料はなかなかの負担ですけどね…

まず老齢の年金ですが、今から約40年前の昭和60年に女性の平均寿命が80歳に到達し、それから人生80年時代と言われ始めましたが、今の令和の時代を生きる人は人生90年どころか100年時代と言われる事が珍しくなくなりました。

今60代や70代の人であっても、その後20年とか30年を生きても全然珍しくない時代を生きています。

そうなるといつまで生きるかわかんないですよね。

若い時は「いやもう自分はそんな長生きするつもりないからさあ(笑)」と冗談混じりに話す人がいますが、そうは言っても寿命をコントロールなんてできないし将来は思いのほか長生きするかもしれません。

60代になって、そこから20年も生きる事はないだろうと勝手に予測して、民間保険で20年契約にしていた場合に、もしそれ以上長生きしたらどうするのでしょうか。

お金の心配が絶えない中で長生きしても毎日穏やかに暮らすなんてできません。

もちろん長生きは良い事だと思われますが、いつまで長生きするのかわからないというのはリスクでもあります。生きている間は当然お金がかかります。

print
いま読まれてます

  • 民間保険商品の売り文句にダマされて「年金を払わない人」が陥る老後地獄
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け