年金受給中の自分の配偶者が亡くなった時、私はいくら貰えるの?

A woman in mourning clothes staring at a calculator and passbook.
 

2.遺族厚生年金は死亡者の厚年期間が240ヶ月あるかどうかで大きく変わる。

さて、A男さんは令和6年2月11日に病気により死亡したとします。

この時に妻B子さんにはいくらの遺族厚生年金が支給されるでしょうか。ちなみに遺族厚生年金は配偶者、子、父母、祖父母の順で最優先順位者が請求して受給します。

上の順位者が死亡者と生計維持関係がなかった場合は下の順位者が受給者となる事もあります。

B子さんの生年月日により62歳(令和4年10月5日受給権発生)からB子さん自身の老齢厚生年金年額30万円を受給していたとします。

まず、死亡時点で生計維持されていたかどうかを見ますが、生計維持というのは遺族厚生年金を請求しようとするB子さんの前年収入が850万円未満(または所得が655.5万円未満)を満たし、住民票が一緒のような場合をいいます。

別居でも合理的理由のある場合は大丈夫です。

条件を満たしているので、B子さんはA男さんの254ヶ月分の老齢厚生年金(報酬比例部分)931,418円の4分の3である698,564円となります(単純計算ではありますが…)。

あと、A男さんは厚生年金全体で240ヶ月以上あり、A男さん死亡時に妻が40歳以上65歳未満の場合は遺族厚生年金に中高齢寡婦加算596,300円(令和5年度価額)も加算されます。

よって、A男さん死亡時である令和6年2月11日受給権発生でその翌月分から遺族厚生年金698,564円+中高齢寡婦加算596,300円=1,294,864円(月額107,905円)を受給します。

この時にB子さんは62歳から自身の老齢厚生年金30万円を受給していましたので、遺族厚生年金総額1,294,864円との選択となります。

両方は貰えないので有利なほうを選択となります。

※注意
今回はA男さんの厚年期間が240ヶ月以上あったので中高齢寡婦加算が加算されて、大きく遺族年金額が増えましたが240ヶ月無い場合は中高齢寡婦加算は原則として加算されません。

また、遺族厚生年金計算の時に、よく300ヶ月なければ300ヶ月で計算するという事がありますが、それは主に厚生年金加入中の死亡の時の計算です。

年金受給者の死亡の場合は実期間で計算します(年金受給者でも厚年加入中の死亡等の時は300ヶ月で計算する事もあります)。

なお、全体で300ヶ月以上ない人(もしくは短縮特例などもない)が死亡した場合は遺族厚生年金は支給されません。平成29年8月1日から始まった300ヶ月を120ヶ月に短縮した老齢年金受給者の死亡では遺族厚生年金は支給されません。

print
いま読まれてます

  • 年金受給中の自分の配偶者が亡くなった時、私はいくら貰えるの?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け