年金受給中の自分の配偶者が亡くなった時、私はいくら貰えるの?

A woman in mourning clothes staring at a calculator and passbook.
 

4.65歳からのB子さんの年金。

最後に65歳からのB子さんの年金総額ですが、B子さんは65歳から老齢厚生年金30万円(うち1万円が差額加算)と国民年金から老齢基礎年金50万円が受給できるものとします。

65歳になると中高齢寡婦加算596,300円が消滅し、遺族厚生年金は698,564円のみとなります。

中高齢寡婦加算は妻が65歳になって妻自身の老齢基礎年金を受給するまでの繋ぎの年金です。

老齢基礎年金が50万円なので中高齢寡婦加算596,300円より低いので、年金総額が下がってしまう事もあります。

さて、65歳からは遺族厚生年金が698,564円になりましたが、B子さん自身の老齢厚生年金を優先して受給します。老齢厚生年金を超えた差額分を遺族厚生年金として支給します。

つまり、698,564円ー妻の老齢厚生年金30万円=398,564円が遺族厚生年金となります。


また、65歳以上の配偶者が受給する遺族厚生年金の計算にはもう一つあって、遺族厚生年金の3分の2+配偶者自身の老齢厚生年金の2分の1を遺族厚生年金として支給する場合もあります。

この計算でやると、698,564円×3分の2+30万円(差額加算含む)×2分の1=615,709円となります。という事は先に計算した698,564円の方で貰ったほうがお得ですので、それを遺族厚生年金とします。

よって、65歳以降のB子さんの年金総額は、遺族厚生年金398,564円+老齢厚生年金30万+老齢基礎年金50万円=1,198,564円(月額99,880円)

他に、住民税非課税世帯で前年所得+年金収入(遺族年金や障害年金は除く)が878,900円以下の人にはいくらかの年金生活者支援給付金が支給される場合がありますが今回は計算を割愛します。

※追記
中高齢寡婦加算の額は596,300円ですが、この金額は老齢基礎年金額795,000円(67歳までの人)の4分の3の額になってます。

老齢基礎年金に使う国民年金被保険者期間が480ヶ月の4分の3である360ヶ月(端数の関係で361ヶ月以上必要)に満たない場合は、65歳前よりも年金総額が低くなる場合があります。

それでは今日はこの辺で!

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佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
その翌年に民間企業を退職してから年金相談の現場にて年金相談員を経て統括者を務め、相談員の指導教育に携わってきました。
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