新NISAスタートで激増?現役探偵が伝授する「投資詐欺」を見抜く2つの簡単な方法

 

探偵が教えるもっとも多いパクリの手口

ポンジスキームとは、新しい投資家から集めた資金を、以前の投資家に配当や利益として支払うことで、新しい投資家を引きつける詐欺的な投資計画のこと。その名の由来は、ポンジさんが考えたからだ。

そして、ここにねずみ講的仕組みを構築するというのが現在主流の投資詐欺だ。

例えば、Aさんが1,000万円を詐欺投資会社に預けたとする。すると、数か月は約束通りの配当が支払われる。多くのケースでは、月利にして2~5%というところだ。月利5%というのは年利にすればとんでもないことになる。複利運用した場合、元金倍率にすれば、わずか1年で1.79倍にもなるのだ。

日本国内の銀行に預金をした場合の金利はメガバンクでだいたい0.003%程度、高金利を出しますというネット銀行でも0.2%程度だろう。そして、これは年利である。

月利で1%というだけでも、とんでもない配当なのだということがわかろう。

つまり、Aさんは1,000万円の元金を減らすことなく、毎月50万円の配当をもらえるわけだ。

仮に半年もらい続ければ、配当だけで300万円になる。多くの場合、この段階になる前で詐欺会社を信用してしまうのだ。そして、投資家だけが呼ばれるセミナーや個別の面談で、こう勧められるのだ。

「どなたか紹介してもらえませんか?」と。

この場合、配当の月利の一部を紹介者となるAさんに渡すというケースが多い。Aさんは、10人紹介すれば、2倍の配当を手にするなど、働く必要がないと思えるほどの配当を手にすることになるわけだ。

こうした拡がり方で、詐欺被害総額は破壊的な被害総額に育っていくのだ。

しかし、ポンジ・スキームは預かったお金を次々と配金していくだけの仕組みであり、預かる額が多くなり、預ける人が多くなるほど、リスクが大きくなり、時間が経てば破たんするのである。早い場合で3年、もって5年ほどで運営がおかしくなっていく。

しかし、金融の世界を含め戦争や大災害などは5年もすれば何か起きるのだ。

詐欺会社はそういう事件を理由に破たんしましたと整理してしまえばいいのだ。

銀行だって潰れる時代、投資会社に見せ掛けた詐欺会社やその実、詐欺師が有名トレーダーに化けているのだから、時代の波には勝てませんでしたと逃げてしまうのだ。

裁判をすればいい。という人もいるだろうが、詐欺側は資産を隠すことに多くの力を注ぐのだ。名義を変えたり、現物にしたり、海外送金は限度もあるが、リスクさえ承知の上で資金を逃がそうと思えば方法はいくらでもあるだろう。

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

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