「目をつぶって運転する」くらい危険。日本のインスリン量の決め方に問題あり

 

日本の医師や栄養士は、相変わらず「カロリー制限高糖質食」を唯一無二の「糖尿病食」として、推奨しています。欧米では、少なくともインスリン注射をしている糖尿人においては、カーボカウントが普通です。これは、「血糖値を直接上げるのは糖質だけで、蛋白質・脂質は直接上げない」という知識が、医者にも患者にも共有されているから、欧米では当たり前のことなのです。

インスリン注射をしている糖尿人の皆さん、カロリー計算でインスリンの量を決めるのは、全く無意味ですので、せめて欧米並みにカーボカウントをしましょう。これにより、低血糖はかなり防げると思います。

勿論、スーパー糖質制限食導入により、最低限のインスリン量に減量することがベストなのはいうまでもありませんね。高雄病院においては、SU剤はスーパー糖質制限食導入により、ほぼ全例で中止できています。

食直前のインスリンの単位は、糖質摂取時に比べて、1/3以下になります。単純にインスリン注射の単位が少ないほど、低血糖も起こしにくいのです。糖質制限食なら、インスリン注射やSU剤など低血糖を起こす薬物の使用量が激減するので、低血糖予防になります。

なお、注射薬として、GLP1受容体作動薬(トルリシティ、ビクトーザなど)、内服薬として、SGLT2阻害薬、メトホルミン、DPP-4阻害剤、αGI剤、ピオグリタゾンは、作用機序から考えると、基本的に低血糖は生じません。しかし、これらの薬も、SU剤やグリニド系剤、インスリンと併用すれば、低血糖はありえます。

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(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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