一党独裁体制がアダに。習近平政権では中国経済が復活しない理由

July,5,,2017,-,Berlin:,Chinese,President,Xi,Jinping,At
 

心配されていた不動産バブルが崩壊したとされ、今後の先行きに大きな懸念が囁かれる中国経済。台頭著しかった東アジアの大国は、このまま沈んでいくのでしょうか。今回のメルマガ『j-fashion journal』ではファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんが、「中国経済の復活はない」と断言。その大きな原因として、習近平国家主席による独裁体制を上げています。

中国経済が復活できない理由

1.中国は独裁体制で動いている

中国は中国共産党の一党独裁であり、中国共産党は習近平の独裁体制である。つまり、中国の運命は習近平が握っている。この構造は、中国共産党だけでなく、多くの企業にも共通している。一般企業も、社長の独裁体制で運営されており、社長は万能であると社員も信じている。中国全体が独裁組織によって構成されているのだ。

中国が経済成長したのは、米国と日本が中国との国交を回復したことに端を発している。米国の金融資本は中国に投資し、日本企業は中国企業との合弁企業を次々と設立した。その結果、中国は世界の工場となり、輸出大国になった。

更に、中国の地方政府は不動産ビジネスで上げた莫大な利益により運営されていた。地方政府が所有する土地の使用権を不動産開発企業に販売し、不動産開発企業がマンションを販売した。土地の使用権料も不動産販売価格も地方政府が決定権を持っていたため、供給過剰になっても、不動産価格は上がり続けた。不動産価格は下がらないという不動産神話が生まれ、益々投資が増えた。不動産バブルである。

こうして企業も政府も莫大な利益を上げたが、それが内部留保されることはなかった。全て個人に分配され、それが再び不動産に投資されたのである。

2.資金流入が止まれば経済も止まる

中国では大企業ほど借金は多い。借金で会社を回して、共産党幹部との関係性でビジネスを確保するという構造だ。

中国では不動産売買も商取引も前払いで行われる。つまり、資本が手元になくても、商売ができる。必要な資金は借り入れればいいし、資金は外国からいくらでも調達できる。米国は中国企業に対して米国市場への上場を優遇した。中国企業が米国市場に上場することで、米国の金融機関が利益を上げ、その一部は政界にも流れた。

中国政府は、輸出企業に補助金を出すことで、先進国よりも安い価格で販売し、先進国企業を次々と淘汰していった。

それもこれも、外国からの資金供給があったからである。そして、安い商品を西側先進国が受けいれてきたからだ。

従って、中国経済を崩壊させようと思ったら、資金の流入を断ち切ればいい。中国投資をせず、中国製品を受け入れなければ中国経済は終わる。しかし、中国経済の成長によって利益を享受してきた資本家、政治家等は、そんなことをするはずがない。中国経済は安泰のはずだった。習近平政権が誕生するまでは。

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