なぜ「きれいなトランプ大統領」が誕生するのか?「もしトラ」に新ルート、ライバル白旗の裏で進む新・新世界秩序構築

 

トランプのこってりすぎる政策が「薄味」に?

どういうことかというと、これからは「トランプという猛毒」を「薄めていく動き」が出てきているのです。

トランプ運動というのは、本来は極右の超孤立主義をコアとした運動でした。少なくとも、トランプ自身のこれまでの言動を整理すると、

「就任1日目は独裁者になって、南部国境を閉鎖して、国内での石油掘削を全開にする」

「NATOは脱退。腐敗したウクライナはプーチンに任せる。日米同盟も、米韓同盟もどちらもタダノリなのでバッサリ切る」

「全世界から米軍を引き上げて、その米軍は国内でのBLMや反トランプといった左派のデモ隊の弾圧に向かわせる。更にメキシコ領内での麻薬ギャング殺戮に投入する」

「中国と北朝鮮は依然としてボス交渉で対応する」

「製造業はどんどん国内に戻す。日鉄のUSスチール買収は認めない」

「2021年議会暴動で有罪になった人間は全員恩赦。今現在逮捕されたり獄中にいる人間は、連邦政府の捕虜なので奪還する」

「反対に、腐敗しているバイデン一族は牢屋にブチ込む」

ということで、とにかく日本にとっては困る話がゴロゴロあります。

算数ができない支持者が多いので、演説ではあまり触れませんが、トランプはアメリカ・ファーストなので、通貨政策としては「ドル安」を強く進める可能性があり、そうなれば日本は急激な円高で苦しむことになるかもしれません。

というような話があるわけですが、現在のアメリカ政局の方向性を見ていると、「そうでもない」という感触も出てきています。というのは、「2期目のトランプ」というのは、このまま進むと、共和党の党内穏健派なども取り込んだ相乗り政権になるかもしれないということです。

つまり、右も左も含めた議会共和党がどんどん支持に回り、メガドナーと言われる大口献金もトランプに「張る」動きを始めた、更にはライバル政治家も応援団に回ったということで、応援団が肥大化しているのです。

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